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< ひきこもり・不登校~自尊心の欠如が招くもの① | 一覧へ戻る | ひきこもり・不登校~自尊心の欠如が招くもの③ >
ひきこもり・不登校~自尊心の欠如が招くもの②
わが子からの信頼を失った者として、唯一親らしくいられるとすれば、ひたすら世話をやくという
ことだけです。これが、「共依存」や「イネーブリング」を招いてしまうのです。
わが子から必要とされることを必要とする状態に至っているので、世話をやかずにはおれなくなるのです。
また、無意識の内に自分を頼らせ離れないようにすることで、わが子をコントロールしようと
してしまいます。無力感からの痛みを少しでも軽減するためです。
子ども(当事者)の方は、世話をやかれることで、見捨てられていない、愛されているという実感を
得られます。
子どもはまた、世話をやかせることで親をコントロールしていきます。
愛されることを必要としている状態のわが子と引き合い、共依存の呪縛にがんじがらめとなるのです。
当然これは、わが子から自立の力を奪い、長期化を進行させます。
(続く)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年8月21日 10:08
< ひきこもり・不登校~自尊心の欠如が招くもの① | 一覧へ戻る | ひきこもり・不登校~自尊心の欠如が招くもの③ >
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ひきこもり・不登校~自尊心の欠如が招くもの③
長期化を防ぐためには、親自身が自尊心を回復していく必要があります。
どう回復していくか。
そのヒントになるものは、そもそもなぜ自尊心が打ち砕かれたのか。
過去の失敗によるものですね。
その誤りや過ちをぬぐい去れないことが自尊心の回復を困難にしています。
ですが、失敗しない人間などいるでしょうか?
大切なことは、失敗に対して、どう向き合い、どう対処していけるかです。
「良かれ」と思い、懸命にわが子を育ててきました。
それでも目の前の現実に謙虚になり、反省し、誤りは誤りとして認め、悔い改めていく姿勢が
何よりも大切なのです。それがあってこそ、成長していけます。
成長の機会を与えられたことに感謝し、誤りを認め、非を詫び、積極的に行動を改めていける。
この姿勢が、無意味に恥じいることを防ぎ、自尊心の回復につながるのです。
自尊心が乏しいと、他人からの批判を極度に恐れ、自分の責任より世間体(周囲の評価)を優先させ、
解決のための外部へのはたらきかけに消極的にもなります。
共依存とイネーブリングに加え、解決は遠のくばかりです。
親としての存在意義(価値)とは何でしょうか?
それは、育てる。成長させていくということでしょう。
それは、その危機に遭遇した際は、守り、安全を確保するということも含みます。
引きこもり者たちは、セルフネグレクト(育自放棄)の状態です。
自堕落な生き方によって、自身の成長を阻んでいる状態です。
この状態にクサビを打ち、これ以上の進行を抑え、現実から逃げず、果敢にわが子との対峙を行い、
成長に導いてこそ、親としての自尊心が取り戻せるのです。
改める勇気こそが自己を支えてくれるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年8月23日 06:53
ひきこもり・不登校~自尊心の欠如が招くもの①
引きこもりや不登校の解決は、長期戦になりがちです。
したがって、その間の親のモチベーションを維持することが課題のひとつです。
ですが、ここで問題になるのが、親たちの自尊心がすでに打ち砕かれてしまっていて、そのことが
「共依存」や「イネーブリング(過度な世話やき)」を招き、あきらめや深刻な長期化を促進して
しまっているということです。
自尊心とは何でしょう。
自身の存在意義(価値)に確信をもって、自分自身を自分自身として、そのまま受け入れられ、自愛
をもって自分を大切にできる心でしょう。それは尊大さとは違います。
親にとって、わが子から背を向けられ、何らの促しも聞き入れられない状態があれば、それこそ、
親としての存在価値を否定された思いになるものです。
となれば、引きこもりの解決のために根気強くわが子にはたらきかけていくことは、困難なことです。
(続く)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年8月19日 06:07
ひきこもり・不登校~家族会に求められるもの
研究者が述べる「家族会」参加による親の変化の効用についての私なりの疑問を述べてきました。
それらの変化がかえって長期化を招いているということ。
であれば、何のために「家族会」に参加しているか分かりません。
では家族会は、無用なのでしょうか?
そうであれば、私自身が家族会を運営するはずもありませんね。
無用どころか、解決のためには絶対に必要なのです。
なぜなら、引きこもり現象の当事者は、親自身でもあるからです。
家族会というのは、「引きこもるわが子をもち、困ってしまっている親たちの集まり」であっては
ならないのです。「引きこもり現象を起こしている当事者の集まり」なのです。
ですから、家族会が必要なのは自明の理であり、どのような内容の家族会を運営していくか、
その中身が重要なのです。
この研究者の調査の結論として出されている提案では、親が自分自身の人生を振り返り自分の未来を
考える時間にするとあります。
強迫的に子どものことだけを考え続けているので、もっと親に自己に対する気づきを促す課題を
提供するということです。
これはそうではあるのですが、具体的な例としてあげられていたのが、「自分のためだけにお金を
使うとしたら」というような課題でした。
つまり、親がもっと自分に向くことで、子どもとの固着した関係性(共依存)に距離を取ることが
できるという発想です。
距離を取ることはもとより必要なのですが、自分の好み(楽しみ事など)に気を向かせることが、
自己に対する気づきを得られる方法ではありませんし、何よりも、損なわれている親としての自尊心
を取り戻す手立てにはなりません。
砕け散った親である自尊心が、回復されない限り、過剰な世話焼き(イネーブリング)は続きます。
親自身のことに多く関心が向けられていたために、その分子どもに関心が向けられていなかったこと
が、引きこもりの要因になっていた事例は、多いくらいです。
ですから、自尊心を回復するため、そして、わが子を成長させるために親としての発達課題を
具えていく。
つまり親として成長していくための学習と訓練の場が、家族会には求められるのです。
研究者によるこういった調査報告は、アンケートの回答に基づくものが少なくありません。
アンケートでは拾えない、事態が起こっているその場(家庭)の“うめき”を直接反映させた
場作りが、急がれるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年8月17日 05:57
ひきこもり・不登校~ある研究者の報告に対して④
次に記されているのが「コントロール的態度」
子どもへの過剰な世話焼きです。
子どもから頼られているという安心感を得たいがために、親としての役割(世話焼き)にしがみつく
ことで、子どもを支配、コントロールする態度です。
これが、遠くから見守る。子どもの成長を時間的に追うことができるように変化していく。
と言うのです。
遠くからの見守りは、問題の見送り、先送りにしかなりません。
また、“遠くから”は、〈対岸の火事〉他人事とほぼ同義になってしまいかねません。
「子どもの成長を時間的に追う」においては、もうあきれ返るとしか言えません。
「時間的に追う」と述べていますが、時間の経過だけで、本人が心の成熟を果たしていくと考える
のは、肉体的な発達、成長と混同してしまっています。
引きこもりの最大のリスクは、人と関わらないということです。
人間が、違う価値観をもった他者と関わらない生き方をしてしまうと、自分を客観視することも
出来ず、自己の世界観に囚われたままの状態で、そこから一歩も抜け出せず、ましてや心の成長
などあり得ないのです。
家族会(自助グループ)に参加することで、これまで述べたような変化が起こり、有効であるとこの
研究者は論じておられますが、このような変化では解決どころか、長期化、深刻化をより招いて
しまいます。
変化したということで家族会が有効と思われたのでしょうが、重要なのは、それらの変化が解決に
果たしてつながっているのかです。
現実、一般的な家族会参加者からの解決につながった話は、ほとんど聞かれません。
20年近くも親だけが通ってるというケースもあります。
なぜ、家族会参加家庭でも長期化が進行しているのかを研究者に説明してもらいたいものです。
(続く)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年8月15日 06:18
ひきこもり・不登校~ある研究者の報告に対して③
次に記されているのが「現状否定的態度」
自分の子育てを完全否定し、自罰的発言を繰り返す、あるいは子どもの態度に対する非難。
これが、家族会参加によって、このまま引きこもりでも構わないという、現状を肯定する態度に
変化するというのです。
「否定は良くないから肯定しましょう」これでは、前回述べた「二者択一」と何ら変わりません。
改善(より良い状態への変化)にはなっていません。
現状を受容することは最も重要なことですが、ありのままを受け入れるというのは、そのままの状態
を容認するということではないのです。
現状、経験を受け入れるということは、それに納得することではなく、その経験を通して自分に
とって必要なことを学ぶということです。
ひきこもり現象の意味、わが子が抱えてきた苦悩が理解できれば、非難する理由がなくなります。
ですから、その理解のための学びこそが家族会では必要なのです。
「このまま引きこもりでも構わない」となれば、長期化してしまうことは当然の帰結です。
「否定は良くないから肯定しましょう」といった単純なことではなく、「何のためにそれを行う
のか」といった目的を常に明確にして忘れないでおくことが重要なのです。
目的はあくまでも社会的自立です。
過度な罪悪感で自分を責めても何の意味もありません。
「親として何も言える資格がありません」となって、一切何もしなくなるだけです。
だからと言って、「私は悪くない」と開き直るのではありません。
いいの悪いのではなく、親としての責任があるのですから、そのはたらきかけが社会的自立という
目的を果たすためのものになっているかで、常に判断していかなければなりません。
責任をもつのも、あくまでも自身の責任の範囲です。
子ども自身の責任は本人にもたせていくべきです。
責任の肩代わりをこれ以上続けても自立の妨げになるだけです。
(続く)
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