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解決支援者の現場日記
< ひきこもり・不登校~支援を必要とする意味 | 一覧へ戻る | ひきこもり・不登校~前提が結果を左右する① >
ひきこもり・不登校~利益と不利益紙一重
人の行動は、本人にとっての何らかの利益に基づきます。
客観的に見て、好ましくない行動であっても、本人なりのメリットがあります。
引きこもることもそうです。
ネガティブな態度は、「かわいそうな私」という自己憐憫や「同情されたい」「責任を取りたくない」
「怠惰でいたい」「現実を見たくない」「注目されたい」という、本人の一部の利益になっています。
しかし、本人の人生全体の利益にはならないし、周囲や社会にとっては不利益になっていることが
多いものです。
ひきこもりは、短期的には安全を得られますし、気ままな暮らしができるでしょう。
疲れ切った自分を休ませることが出来るメリットはあります。
ですが、その間エネルギーを充電できているかです。
いたずらに長期化してしまえば、携帯バッテリーと同じように劣化してしまい、ほぼほぼ充電が
できなくなってしまいます。
家庭内の「現実の否認」という利益は、家族全体の調和を乱し、自己の人生を見失います。
「現実の否認」とは、危険な兆候を(気づいていても)認めずに放置したり、独善的な解釈から現実を
まったく無視することです。
不快なことから一瞬目を背けることが出来たとしても、現実が消えてなくなるわけではなく、背けて
いる期間が長ければ長いほど、その問題は大きくなっていきます。
現実の否認は、「思考停止」を招き、それが癖となると、常に同じ過ちを繰り返します。
現実把握から傾向を読み取り、対策を打ち続け、同時にわが家にある好ましくない習慣の枝打ちを
していくことでしか現状の改善は成し得ないのです。
わが子だけが変わっていくのを期待するのではなく、自分も含めわが家全体の枝打ちをしていかな
ければなりません。
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福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年6月17日 06:14
< ひきこもり・不登校~支援を必要とする意味 | 一覧へ戻る | ひきこもり・不登校~前提が結果を左右する① >
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ひきこもり・不登校~前提が結果を左右する①
問題に直面した際、その原因と解決策を検討するとき、何を起点とするかでその内容は、まったく
変わってきます。
「子どもが勝手にひきこもっている。困ったものだ」
「子どもが怠惰で、ただ甘えているだけだ」
「精神の病か障がいだろうから、仕方がない」
「親への信頼が無く、反発しているから、親ではもうどうにもならない」
「本人が動いてくれないかぎり、どうにもできない」
「その内気づいて、動き出すはずだ。いつか、きっと」
「やる気が出れば、すぐにでも働ける」
こういった思いが前提となってしまえば、乗車ホームを乗り違えたのと同じで、まったく見当違いの
方向へ向かってしまい、やること、なすこと、すべてが事態の解決から遠のくばかりです。
最初のボタンの掛け違いから、総崩れとなってしまいます。
上記の前提に立てば、
〈子どもが動き始めるのをただじっと待つ〉
〈叱責するか、逆にたしなめて余計に怒らせたら、ますます動かなくなるだろうから、言うことを
きいておく〉
〈家から出して、どこかに預かってもらう〉
〈時々、就労を促してみる〉
といったような、対応になってしまいます。
その結果は、状態をさらにこじらせ長期化です。
(続く)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年6月19日 07:28
ひきこもり・不登校~支援を必要とする意味
ひきこもり者たちは、周囲からの促しに対して、素直に行動に移せる状態にはありません。
反発、抵抗など、背中を向けることが通常です。
そのことに家族は、いらだちを感じたり、落胆もします。
ですが、それが「支援」が必要な状態にあるということなのです。
ひきこもり問題に向き合うためには、「涓滴岩を穿つ」と「面壁九年」の精神が必要です。
「面壁九年」は、達磨大師が壁に向かって九年間座禅をくんで悟ったという故事からのものです。
また、雫も何年も落ちていると固い岩にも穴を空けますね。
ひきこもり者たちは、家族の声に何の応答もしない場合も少なくありません。
すると家族もだんだん声もかけなくなったり、「いい加減にしろっ!」となったりします。
それでは解決するはずもありません。
語らぬ壁に向かって語りかけ続けるくらいの覚悟が必要です。
ひきこもり者たちは何ができないでいるのか。
「不登校」「ひきこもり」そのものは、病気や障がいではありません。
ですが、日常生活に著しい障害をきたしています。
〈自制能力の欠如〉
衝動の抑制、自分を癒す力、自主性、忍耐力、持続力、自制心
〈人間関係の構成能力の欠如〉
共感能力、信頼感、情愛、相互性、表現能力、人に対する尊敬心
これらの欠如によって、生活機能の基本的な挨拶・返事・後始末もできなくなってしまっています。
ですから治療ではなく、訓練による再教育が必要な状態なのです。
そのためにも、親の「面壁九年」の修行(自己教育)が必要です(笑)。
目標はわが子の自立です。
理想の姿と現状の差を縮める、差を取る。それがさとり(悟り)です。
日ごとに目標に近づけていきましょう!
「岩を穿つ」
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年6月15日 06:49
ひきこもり・不登校~どちらの困りごと?
「本人は現状に困ってしまっていないのでしょうか?」と尋ねられることがあります。
もちろん、困ってしまっていることを抱えているからこそ引きこもっているわけですから、何も
困ったこともなく引きこもっているのであれば、それこそ困りものです。
ただ、将来的に大変困った事態にあるのは事実ですが、当面困った状況にはないと感じている場合
が少なくありません。
なぜなら、衣食住が充たされているからです。
「何とかしたいと望んではいないのでしょうか?」
これも併せて尋ねられますが、「何とかしたい」とは思っていますが、「何とかしたい」の中身が
親の思いとはちょっと違います。
「何とか現状を維持したい」なのです。
日々の生活はお腹をすかせることもなく、取りあえずは困ったこともなく、本当に困っている問題
からは意識を逸らすことができているからです。
ひきこもり者たちは自分を癒す力をもっていませんので、常に防衛の姿勢を取ります。
戦闘態勢で、不安を怒りにすり替えるか、親の弱点を突いてくるか、黙秘で周囲に依存、責任転嫁
します。
痛みを二度と味わいたくないからです。
いずれも現実からの逃避です。
現実に向き合う苦しい思いをするくらいなら、現状に甘んじていた方がまだましなのです。
多くを望まなければ、不自由はないのですから。
当事者たちは、〈困った子〉ではなく、〈困り果てている子〉です。
「困った子」と言うのは親側の嘆きですね。
長期化を防ぐためには、わが子の困りごとの方に意識を向け、その解決を急ぐべきです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年6月13日 06:55
ひきこもり・不登校~改善はより良く生きるため③
前回、幸福感について述べましたが、幸福感を感じられるときは必ず上向きのときです。
成績が上がる、売上が上がる、貯金が増える等、より良い状態に向かっているときですね。
ですから、それは「改善」されている状態です。
改善しているときには、幸福感を味わえるのです。
より良い生き方に変えていくことは、自分を成長させていくことです。
ですから、自身の改善点に気づき、それを積極的に変えていけば、成長していけるわけですし、
幸福感を味わえるわけです。
わが子からその気づきを与えてもらえるのは、有り難いことです。
ショックを受けることではありません。
感謝できることで、謙虚に反省ができます。
反省ができなければ、言い訳をします。
自己正当化し、責任転嫁します。
目の前の人がもしそういう人だったら、仲良くなりたいですか?
ひきこもり者たちは、自分や人を愛せなくなってしまっています。
愛せば大切にしようとしますよね。
だからひきこもり者たちは、自分を大切にできず、自己破壊的な行動をとります。
自分を大切にするということは、成長を妨げないということです。
自分を日々成長させることに努めれば、より自分を信頼でき愛せます。
自分を愛せることで、人も愛せるのです。
わが子はたとえ無言でも、ひきこもるという行為で既に改善の気づきの機会を親に与えています。
より良い生き方になっていくために、主体的に変わっていきましょう!
とても有効なアファーメーション(自己宣言)をご紹介しておきます。
「私は日ごとに、あらゆる面で、どんどん良くなっていく!」
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年6月10日 07:16
ひきこもり・不登校~改善はより良く生きるため②
「良い生き方」とは、どんな生き方でしょう?
例えばWHOの健康の定義では、
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、
そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」とあります。
つまり、単に病気でなければ健康というわけではないということですね。
そう考えますと、「良い生き方」もただ悩みや苦痛がない生き方とも言えない気がします。
フロイト(精神分析学)は、「健康な人とは、愛することと働くことができる人」と言ったそうです。
私は支援活動を行っていて、まさにそうだなと思ってしまいます。
ニートやひきこもり者たちは、この両方が出来ていません。
ですから、病気ではなくても、極めて不健康であり、生活に障害をきたしているのは確かです。
「良い生き方」はもちろんそれぞれの生き方があると思いますが、共通して言えるのは、幸福感を
感じられる生き方ではないでしょうか。
あくまでも幸福感、「感」です。
「金がある、家がある、贅沢できる」ではありません(笑)
潤沢にものがあっても不幸な人っていますよね。
子どもの笑い声が部屋から聞こえる。これって幸福感感じられますよね。
私は、ひきこもり対策はフロイト流じゃないですが、愛することが出来るようにしていくことだと
思っています。
人を愛することができれば、自然働きます。
だって、何か買ってあげたくなるじゃないですか。
役立ちたくなるじゃないですか。
愛すのは、他人だけでなく自分もです。
動植物や自然もです。
命あるものだけではなく、モノもすべてです。
ひきこもり者たちは人だけではなく、自分も愛せなくなってしまっています。
愛せることは「幸福感」にもつながる重要な要素なのです。
(続く)
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