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解決支援者の現場日記

< ひきこもり・不登校~改善はより良く生きるため②  |  一覧へ戻る  |  ひきこもり・不登校~どちらの困りごと? >

ひきこもり・不登校~改善はより良く生きるため③


前回、幸福感について述べましたが、幸福感を感じられるときは必ず上向きのときです。

成績が上がる、売上が上がる、貯金が増える等、より良い状態に向かっているときですね。

ですから、それは「改善」されている状態です。

改善しているときには、幸福感を味わえるのです。




より良い生き方に変えていくことは、自分を成長させていくことです。

ですから、自身の改善点に気づき、それを積極的に変えていけば、成長していけるわけですし、

幸福感を味わえるわけです。

わが子からその気づきを与えてもらえるのは、有り難いことです。

ショックを受けることではありません。




感謝できることで、謙虚に反省ができます。

反省ができなければ、言い訳をします。

自己正当化し、責任転嫁します。

目の前の人がもしそういう人だったら、仲良くなりたいですか?




ひきこもり者たちは、自分や人を愛せなくなってしまっています。

愛せば大切にしようとしますよね。

だからひきこもり者たちは、自分を大切にできず、自己破壊的な行動をとります。

自分を大切にするということは、成長を妨げないということです。

自分を日々成長させることに努めれば、より自分を信頼でき愛せます。

自分を愛せることで、人も愛せるのです。




わが子はたとえ無言でも、ひきこもるという行為で既に改善の気づきの機会を親に与えています。

より良い生き方になっていくために、主体的に変わっていきましょう!

とても有効なアファーメーション(自己宣言)をご紹介しておきます。

「私は日ごとに、あらゆる面で、どんどん良くなっていく!」








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ひきこもり・不登校~どちらの困りごと?


「本人は現状に困ってしまっていないのでしょうか?」と尋ねられることがあります。

もちろん、困ってしまっていることを抱えているからこそ引きこもっているわけですから、何も

困ったこともなく引きこもっているのであれば、それこそ困りものです。

ただ、将来的に大変困った事態にあるのは事実ですが、当面困った状況にはないと感じている場合

が少なくありません。

なぜなら、衣食住が充たされているからです。




「何とかしたいと望んではいないのでしょうか?」

これも併せて尋ねられますが、「何とかしたい」とは思っていますが、「何とかしたい」の中身が

親の思いとはちょっと違います。

「何とか現状を維持したい」なのです。

日々の生活はお腹をすかせることもなく、取りあえずは困ったこともなく、本当に困っている問題

からは意識を逸らすことができているからです。




ひきこもり者たちは自分を癒す力をもっていませんので、常に防衛の姿勢を取ります。

戦闘態勢で、不安を怒りにすり替えるか、親の弱点を突いてくるか、黙秘で周囲に依存、責任転嫁

します。

痛みを二度と味わいたくないからです。

いずれも現実からの逃避です。

現実に向き合う苦しい思いをするくらいなら、現状に甘んじていた方がまだましなのです。

多くを望まなければ、不自由はないのですから。




当事者たちは、〈困った子〉ではなく、〈困り果てている子〉です。

「困った子」と言うのは親側の嘆きですね。

長期化を防ぐためには、わが子の困りごとの方に意識を向け、その解決を急ぐべきです。








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ひきこもり・不登校~改善はより良く生きるため②


「良い生き方」とは、どんな生き方でしょう?

例えばWHOの健康の定義では、

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、

そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます」
とあります。

つまり、単に病気でなければ健康というわけではないということですね。




そう考えますと、「良い生き方」もただ悩みや苦痛がない生き方とも言えない気がします。

フロイト(精神分析学)は、「健康な人とは、愛することと働くことができる人」と言ったそうです。

私は支援活動を行っていて、まさにそうだなと思ってしまいます。

ニートやひきこもり者たちは、この両方が出来ていません。

ですから、病気ではなくても、極めて不健康であり、生活に障害をきたしているのは確かです。




「良い生き方」はもちろんそれぞれの生き方があると思いますが、共通して言えるのは、幸福感

感じられる生き方ではないでしょうか。

あくまでも幸福感、「感」です。

「金がある、家がある、贅沢できる」ではありません(笑)

潤沢にものがあっても不幸な人っていますよね。

子どもの笑い声が部屋から聞こえる。これって幸福感感じられますよね。




私は、ひきこもり対策はフロイト流じゃないですが、愛することが出来るようにしていくことだと

思っています。

人を愛することができれば、自然働きます。

だって、何か買ってあげたくなるじゃないですか。

役立ちたくなるじゃないですか。

愛すのは、他人だけでなく自分もです。

動植物や自然もです。

命あるものだけではなく、モノもすべてです。

ひきこもり者たちは人だけではなく、自分も愛せなくなってしまっています。

愛せることは「幸福感」にもつながる重要な要素なのです。

(続く)








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ひきこもり・不登校~改善はより良く生きるため①


ご相談者(親)に自分を変えていくことを促しますと、「変わらなきゃ」と思いつつも、それに抵抗を

感じる方も少なくありません。

「変える」と言うのはもちろん改善していくことなので喜ばしいことなのですが、このより良く

なっていく
という認識がどこかへいってしまっていて、現状から変わってしまうということに対して

ただただ不安を感じているようです。

これは、ひきこもり者たちも同じです。




改善していくということは、より生きやすくなるということです。

わが子から「あ〜して欲しかった。こ〜して欲しかった」などと言われた場合、今からでもそうして

いくように努めていけば良いのですが、気落ちしてしまうか、言い訳に終止してしまうかになって

しまっていないでしょうか。

わが子から否定されるのも、そこを変えていくのも嫌なのでしょうか?

「今さら変われない」「変わったところで...」と思うのでしょうか?

でも、より良くなるんですよ。




もちろん、わが子の言う通りのことに全て応じる必要はありません。

それでは子どもにとっての〈都合のいい親〉になってしまいます。

子どもの言い分の中には、明らかなわがままもあります。

しかし、結果的にわが子を傷つけたことがあったとすれば、そこは改めるべきでしょう。

その姿勢や態度は、わが子との関係性だけではなく、必ず他者との関係性にも反映されており、

自身の生き辛さにつながっているはずです。

ですから、積極的に変えることに努めれば、その分確実に生きやすくなるのです。




人(わが子)から諭され変わるのが嫌なのですか?

であればなおのこと、積極的に自分から変わっていけばいいのです。

「言われたから変わる」ではなく、主体的に自分からより良くなろう(成長)と努力すればいいですよね。

「親が変われば子が変わる」と諭され、一所懸命変わろうとしている親御さんを見かけますが、

子どものために変わろうとすれば、途中で頓挫してしまうことでしょう。

変わるのは、子どものため、子どもを変えるためではありません。

あくまでも、自己成長のためです。

親が成長すれば、結果的に子どもの好変化にも影響を与えるのですから、子どもを変えることを

頭から目的としないことです。




より良い生き方を目指すためには、「良い生き方」がどのような生き方なのかを知る必要があります。

ただ、目の前の葛藤や苦悩を避けるためだけの生き方になっていませんか?

(続く)








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ひきこもり・不登校~問題の当事者である意識②


当事者として問題に対処していくというのは、ひきこもっている(動けないでいる)子をわが子に

もつ親
であるという自覚をもって、適切な対応をしていくことです。

問題を起こしているのはわが子だから、わが子が気づいて動き出さなければと、ただ指をくわえて

待っていても、長期化するだけです。

もし、「困った子だなぁ。いつになったら目を覚ますの」と思っていたとしたら、それだけ困らせる

ような子が自ら改心して動き出すでしょうか?

結局、そう嘆いているわが子に頼り切っているということですよね。

おかしくないですか?

親自身も早く目を覚まさなければなりません。




人生で起こる諸問題は、様々なものが絡み合って、関連しあって生じます。

特に人間関係なんて、相手あっての事ですので、自分の都合のいいようにはいきません。

不可抗力的に困った事態に巻き込まれるようなこともありますし、自分の思惑とは真逆の方向に

進められてしまうことだってあります。

あちらを立てれば、こちらが立たずといったことも常に起こります。

そういった時、相手が変わってくれることを望みがちですが、「変わりません(笑)」。

自分の都合に合わせて変わってくれるなんてあり得ません。

自分も誰かの都合に合わせられるのは嫌でしょう。




人は色んな人がいます。

ですから、それぞれその状況で自分がどう対処していくかなのです。

そこからの悪影響をどう回避し、改善していくかです。

あくまでも、どこまでも自分が動く(変える)ことです。




ひきこもり者たちは、困った事態の改善ではなく、その場からの逃避を選んでしまいました。

一時退散なら問題なかったのですが、一時がいつまでもになってしまっています。

ですから、親がわが子のやる気に依存し、期待できない勇気に頼っていても、現状が突然改善して

いくことはありません。

それこそ期待できません。

自分の人生、自分の身に起こることは、すべて自分が当事者であるという意識をもって、

人生に責任をもって自分から動きだすことで、事態は好転していきます。








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ひきこもり・不登校~問題の当事者である意識①


私たちは、生きていますと様々な問題を抱えます。

その際に大切なことは、問題意識当事者意識をもつことです。

ひきこもり問題の長期化は、まさにこれらの意識が親側に十分でないことからです。




ひきこもりは、わが家でわが子に起こっている問題です。

「わが」私(自分)の人生で起こっている問題なのです。

ですから、問題の主体は自分です。

それが他人事(わが子の問題)になってしまっていることが少なくありません。




他人事になってしまいやすいのは、ひきこもっているのがわが子だからですね。

ひきこもっているのはそうです。

ですが、それにどう対処していくかは、親の問題です。

放っておいても仕様がないのです。

本人は動けないのですから。

「対処に責任を持つ」これを忘れてはなりません。

毎日食事を当たり前のように供していますよね。

それはわが子だからですよね。

他人が勝手に居座っていたら、毎度食事を用意しますか?

しませんよね。

わが子だからです。それと同じです。




本人は動けないでいるのですから、動ける親が責任もって動いていくしかないのです。

それと、そもそも引きこもりを招いた原因に、親が関わっているからです。

育ててきたのですから当然です。

いいとか悪いとかの話ではなく、「育てたように子は育つ」を私たち親は、自戒のための認識に

常に置いておかなければなりません。

そういう意味でも、繰り返しますが親も引きこもり問題の当事者であるという意識をもつことが

重要なのです。




当事者としてその問題に対処していくという意味が、よく分からないでおられる親御さんも多い

ですので、次回それを述べてみましょう。

(続く)








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