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HOME > 解決支援者の現場日記 > 愛着障がい > ひきこもり・不登校~人格形成の基盤作り①
解決支援者の現場日記
< ひきこもり・不登校~生き辛さの正体④ | 一覧へ戻る | ひきこもり・不登校~人格形成の基盤作り② >
ひきこもり・不登校~人格形成の基盤作り①
生き辛さがどこからくるかを述べてみましょう。
不登校や引きこもりが、まだまだ病気や障がいのように捉えられているようですが、現象として
起こっていることだと先ず捉えてください。
心が不健康な状態であるのは間違いありませんが、だからといっていきなり精神疾患、障がい
ではないのですから。
人格形成がどのように行われるかを簡単に述べてみますと、
5歳くらいまでが、愛着形成と基本的信頼感が具わる時期になります。
「愛着」とは、心の絆ですね。
笑顔、スキンシップ、愛のある言葉かけが大切です。
温もりで包んであげる必要があります。
「基本的信頼感」は、生きる姿勢の基礎になるものです。
自分は愛されているか、周囲は信頼できるかといった自己信頼と他者信頼の基礎ができるわけです。
周囲からの関わられ方によって、自己肯定的になるか否定的になるか、また他者を肯定できるか
否定するかの傾向が具わります。
それから10歳くらいまでには、自己認識が形成されていきます。
自己評価と他者評価によってその内容が変わってきます。
特に愛着対象からあるがままを受容してもらえることで、自身を価値ある存在と認識できるのです。
健全なアイデンティティの構築が成されるか否かに関わってきますので、重要な時期です。
これらが、自分は何者であるかを決定し、生き方の起点、前提となっていくのです。
(続く)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年1月20日 05:37
< ひきこもり・不登校~生き辛さの正体④ | 一覧へ戻る | ひきこもり・不登校~人格形成の基盤作り② >
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ひきこもり・不登校~人格形成の基盤作り②
前回、生き方の起点、前提ということを述べましたが、生きていく上で最も大切なことは、
〈人との架け橋〉をつくれる子に育てるということではないでしょうか。
不登校、ひきこもり者たちは、人から遠ざかる、身近にしない生き方をしています。
架け橋をつくれない状態です。
なぜか?
自尊心や自己信頼感が健全に育っておらず、自己認識が極めて否定的だからです。
そのために、自己受容ができず、健全なアイデンティティ(自分らしさ)が構築できず、主体性を
欠いた依存的な生き方になってしまっているのです。
あるがままを容認されず、愛着欲求の未充足の状態です。
これを私は“乞い煩い”と言っています。
温もりを乞うているのです。
親はわが子への愛おしさから、勝手な期待をかけていきます。
その期待に応えてくれている時は愛するのですが、そうでない時は愛さないといった
「条件つきの愛情」となってしまってることが少なくないのです。
「そんなことは決してない」と言いたいでしょうが、機嫌にそれが現れているものです。
無償の愛は難しいものです。
親子という間柄で気をつけなければならないことは、子どもとの関係性の乱用です。
乱用というのは、親の都合で子どもを動かすことです。
「あなたのためよ」と言いながら、どっこい自分のためだったりするわけです。
自分の意志を尊重されなければ、子どもは自尊心をはぎ取られ、自分を無価値な存在と認識します。
そうなれば、『生き辛さの正体②』で述べた「見知られ不安」「さとられ不安」といった不安感を
抱えます。
他者との関係が親密な関係になることに恐怖するのです。
親密さというのは、自分らしさをお互いが認めあえている状態のことです。
自分らしさが無価値であれば、当然人を遠ざけます。
“乞い煩い”の原因は、わが子を愛してこそいても、わが子への敬意が足りず、エゴでわが子を
吞み込んでしまった結果なのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2022年1月22日 07:34
ひきこもり・不登校~三種の苦悩
ひきこもり者たちは
「将来の夢を失う苦しみ」
「関係の支えを失う苦しみ」
「自己決定できる自由を失う苦しみ」の3つの苦しみがあります。
彼ら、彼女らは、将来の希望を失っていることで、今に生きる無意味さを味わい、他者との関係性を
失い自己喪失の不安を抱え、無力な自分に価値を見出せないでいるのです。
そして、人に癒やされず生きにくさを抱えた状態です。
ストレス耐性の脆弱性や自制力の未熟さ、人間関係の構成力の未発達の根底には、愛着欲求の欠乏が
あります。したがってその改善のためには、親が安全基地としての機能を果たす必要があるのです。
そのためには、徹底した理解です。
わが子の現状への理解、ひきこもり現象の理解です。
理解は同時に、親自身の情緒の安定、モチベーションの持続ももたらします。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2021年11月20日 07:37
ひきこもり・不登校~ぬくもりを乞う"乞い煩い"
ひきこもり(不登校)は、自己本来の姿を見失い、すっかり変容してしまっています。
ありのままでいることを許されなかったからです。
どういうことかと申しますと、わが子に対する愛おしさから親がかける期待通りに生きることが、
愛され続けるために必要だと信じ込んできたからです。
親が喜んでくれることは子どもにとっても嬉しいことです。
がしかし、親の期待が子の資質に合っていて、尚且つ子ども自身もそれを好んでいる場合は問題ない
のですが、そうでない場合、子どもは自分を殺して期待に応えようとします。愛されたいからです。
そうすると、健全な自己愛、アイデンティティ(自己存在意義)の構築が妨げられ、ペルソナ(仮面)を
かぶり自己を欺き、空虚感をぬぐえぬようになるのです。
ありのままの自己に対する自尊感情(セルフ・エスティーム)が高められてこそ、「共感」という
社会性の土台が築かれます。
ですから、他者との親密な関係を結べなくなってしまっているのです。
「親密さ」とは、自分が自分らしくいられ、相手のその人らしさも承認できる関係のことです。
愛されるために自分をごまかす関係は偽りの親密さです。
自分は存在する価値があるという〈自己信頼〉と、他者は信頼に値するという〈他者受容〉の
「基本的信頼感」が十分に備わっておらず、親密さへの恐怖すら抱いています。
空虚な存在としての自身を覚られてしまう不安と見知られてしまう不安に怯えているのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2021年11月15日 07:25
ひきこもり・不登校~フグの毒にあたる?⑤
親のもつ「毒」は、愛情と見誤ってしまっている執着と述べました。
そして、「世代境界」に関して具体例を挙げてきましたが、「境界」というのは、自分が他の人
とは別の独立した存在であることを保証するものです。
ですから、「境界」を超えて侵入することは、わが子に一人の人間としての価値がないという
メッセージを与えることになります。
適切な境界があれば、誰が何に責任を負うかが区別でき、自己否定感を抱かずにすみます。
親が愛おしさからわが子に執着すれば、この「境界」を軽々と超え、子どもの世界に侵入し、
親が負うべき責任までをもわが子に取らせようとします。
しかもそれを気づかないでやってしまっていることが怖いところです。
結果、子どもは無用な罪悪感までももつようになるのです。
親は勝手にわが子に期待します。
しかしその期待は、コントロール幻想を招きます。
期待通りに、わが子を動かそうとするのです。
強制、支配につながります。
コントロールは、自己存在の確認を取ろうとする手段です。
自分自身が親から愛されたと感じられなかったり、価値あると教えられなかった親は、わが子を
自分に頼らせようとしたり、思うままに動かそうとすることで、自分が「わが子から愛されている」
と実感したいのです。
親側の自愛の欠如です。
親が、秘めた毒でわが子を汚染してしまわないためには、“敬意”が必要です。
敬意は慎みと尊重です。
「世代境界」は、踏み越えてはならないものです。
そうでなければ、親の生き方が負の連鎖として、わが子に受け継がれていくことになるからです。
あな恐ろしや。
(終)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2021年10月21日 07:19
ひきこもり・不登校~フグの毒にあたる?③
〇親が子どもに責任を負わせようとする
親が自分の感情や考えや行動に責任をもたず、子どもにその責任を負わせることです。
例えば、子どもの成績が下がったり、素行のせいで、母親と父親が衝突したような場合に、
「あんたのせいで、お母さんお父さんから怒られるでしょう」とか、
「お父さん仕事で疲れているんだから、イライラさせないでくれ」とか子どもに言ったりとかが
ありますが、これは完全に責任転嫁です。
子どもの成績の低迷と夫婦の衝突は関係ありません。
イライラもあくまでも自分です。イライラしたくなければ、自分がイライラしないようにすれば
いいだけです。自身でイライラを選んでいるんです。
感情のコントロールが自分で出来ないでいることを子どもの責任にすることは、おかしな話です。
こういう状況にあれば、子どもは責任を感じ、無謀な努力を強いられたり、無用な挫折感を味わわ
される結果となります。
〇親のニーズが子どもより優先となる
親のニーズを満たすために子どもを利用するパターンです。
親の見栄などで、教育虐待を行ったり、習い事を強要する場合です。
これらは「条件つきの愛情」につながり、親の期待通りの子どもでいれば可愛がるのですが、
そうでなければ不機嫌になる。
子どもは「ありのままの自分では愛されない」と理解し、親の期待を読み取ろうとばかりし、
自分を見失います。
親の関心事から自分が外されていると感じれば、自分を肯定することはできません。
(続く)
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