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解決支援者の現場日記

< ひきこもり・不登校~大掃除の季節です!  |  一覧へ戻る  |  ひきこもり・不登校~自分を守るのは自分② >

ひきこもり・不登校~自分を守るのは自分①


ひきこもり現象は「二度と失敗して傷つきたくない」という思いから、「失敗しない唯一の方法は

何事にも挑戦しないこと」という結論に導き出された生き方です。

ひきこもり者たちにとっては、「失敗=傷つき」になっています。




「傷つく」と言った場合、多くは「傷つけられた」という意味合いになっています。

つまり、相手からバカにされたり、からかわれたり、侮辱されたりして傷つけられたわけです。

被害者意識になりやすいために「傷つけられた」となるわけです。

しかし、傷ついた時というのは、実は傷つくことを自分が自分に許してしまっているのです。

傷つくような言葉があったにせよ、その言葉の意味をどう解釈するかで傷つき度が大きく変わって

きます。

例えば、人に皮肉られているのに落ち込みもせず笑っていて、周りから「あなたよく平気で

いられるね!」って言われて「えっ?皮肉なの?」といった場面がありますね。

これは、本人は皮肉と取っていないからです。

また、失敗して恥をかいたと傷つく場合もあります。

人から何か言われたわけでもなくても。

これは、自分で自分を貶め傷ついているのです。




誰でも傷つきたくはないものです。

であれば、たとえ相手から傷つけられるような言葉をかけられたとしても、「私は決して傷つく

ことを自分に許しません」
と自分自身に宣言して、その言葉の意味、相手のその行為の意味を

解釈し直してみましょう。

もちろん、全く傷つかないではなく、「0か100」ではなく何でも割合です。

「少々傷ついた」くらいで収まれば心配ないのですから。

暴力行為などで肉体を傷つけられることは別ですよ。鋼の肉体ではないのですから。




学校の先生からビンタを打たれることは昔はありました。

今でしたら、それこそすぐ体罰で大変な問題となるでしょうが、このビンタも、誰からされたかで

傷つき度が違います。

かねてのその先生と生徒との信頼関係しだいです。

信頼関係があれば、生徒は傷つきませんし、かえって感謝したりもあります。

つまり、その行為が意味するものしだいということです。




わが子から返ってくる暴言が嫌で、何もはたらきかけが出来ないでいる親御さんもいます。

ひきこもり者は、失敗したくないという理由で現状維持を図っています。

そこへ前へ進むことを促すわけですから、反発があるのは当然のことです。

わが子の言葉、在りようをどう解釈するかで、傷つくことを避けることは可能です。

主体的な姿勢でもって傷つくことを自分に許さない。

自分を被害者の立場に置かないことです。

このことをわが子にも教えていかなければならないのですよ。

(続く)








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ひきこもり・不登校~自分を守るのは自分②


考えてもみて下さい。

既に数年も経過してきている中で、突然「このままでどうするの?」と問いかけられたからとて、

素直に動き出せるはずもありません。

履歴には空白があるうえ、起きたいときに起き、寝たいときに寝る。ゲームやインターネットを

好きなだけいつでもできる環境で過ごしてきた状態で、様々な制約を受けながら、責任を全うして

いかなければならない社会での生活に、おいそれと入っていけるはずもありません。

わが子の立場になって考えていくべきです。

そうすれば、怒りも嘆きも緩和され、わが子からの言葉に傷つけられることも少なくなって

くるでしょう。




生きていく中で抱える幾多の問題は、その問題でこそ気づきを得なければならないことがあるから、

他でもないその問題が起こっているのです。

健康上の問題であれば、かねての食生活の乱れや過重なストレス等に気づける機会となりますし、

経済的な問題であれば、浪費癖などを考える必要がありますよね。

つまり、その問題から自分に向けてメッセージが投げかけられているということです。

ですから、わが子のひきこもりは、まさにわが子からの問題提起です。

ひきこもるという生き方で、伝えられているメッセージがあるという事です。




「不意打ちを食らう」とダメージが大きいものです。

ですが、打たれるのが分かっていれば、心づもりと身構えが出来ていますので、そう痛みも感じ

ませんよね。

猪木のビンタみたいなものです(笑)。

ですから問題に対しては、主体的にその意味、そこからのメッセージを自ら読み取っていくといった

姿勢が大切なのです。

徹底的にわが子の立場になり、暴言や反発の姿勢から、気づき、反省、学びが出来れば、傷つく

ことは少なくなります。

傷つくことは許さず、やり直すことを自分に許してあげましょう。








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ひきこもり・不登校~大掃除の季節です!


今年ももう終わりますね。

昨年からのコロナが少し収束しつつあるかなと思っていたら新たなオミクロン株で、来年こそは

安心できる年になるように願いたいものですね。




この季節、いつもお話ししていることがありますが、ひきこもり・不登校解決にとっての大掃除の

有効性です。

「えっ?大掃除が?」と懐疑的になればもちろん実行しませんよね。

その姿勢が、継続しているひとつの要因です。

自身の見識ばかりに囚われている、それでは新たな道は開けないでしょう。




大掃除と言っても、ただゴミを捨てるだけではありません。

家具の配置を変えたり、カーテンの色を変えたり、照明を変えたりと、「生活の場」としての

機能性を上げ、一番には家中の雰囲気を変えるのです。

家具の位置が変われば、流動線も変わります。

習慣になっている動き方も変わるのです。

しばらくは不慣れで戸惑うでしょう。

それがいいんです。

不慣れさをいかに増やしていくかが解決のためのポイントです。

ひきこもりは「生き方(習慣)の病」です。

もちろん家族全員のですよ。

ですから、いかに過去からの(悪)習慣をぬぐい取れるかです。




「家庭」とは庭ですよね。

枯山水の見事な庭園と、雑草だらけの庭と、どちらが一服のお茶も美味しくなりますか?

家中の雰囲気を明るく、穏やかで和らいだものにしましょう。

さらには、賑やかにしていくんです。

音楽を流してもいいでしょう。絵や写真を飾ってもいいでしょう。

もちろん、一番必要なものは笑顔です。

「笑える状態になりたい」ではなく、「笑っていればその状態になっていく」のです。

「笑う門には福来る」です。




コロナ禍でのステイホームを強いられ、様々な生活様式が変わっていきました。

働き方にも大きな変化が起こりました。

新たな工夫により、今までのムダな習慣も浮き彫りになりました。

わが家がより過ごしやすくなるための工夫をしてみてください。




環境を変えることは、土壌改良と同じです。

作物がより良く育つために土壌を改善していきますね。

栄養分のない土壌では十分に育ちません。

「培う」という言葉は、「土養う」という意味からきているそうです。

元気を培う環境を作りましょう。

事態を変えるためには、先ず事態に向き合う姿勢を変えることです。

「大掃除をしたくらいで・・・」という姿勢でいれば、事態の改善は到底望めません。

その悪しき習慣(心の癖)が、今の事態を招いたのですから。








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ひきこもり・不登校~人生ムダ無し


過去を悔やむ。

誰でもが経験していることではないでしょうか。

ご相談者の話を聞いていても、多くがそうです。

中には、わが子から具体的に過去のことを非難されている親御さんもおられます。

「関心をもってくれなかった」

「認めてくれなかった」

「褒めてくれなかった」

「尊重してくれなかった」

「許してくれなかった」

等々。




親には言えずにきた場合でも、カウンセリングの過程でその無念さを語りだすことは少なく

ありません。

ひきこもり者たちの想いはひと言で言うと、「分かってください」です。

理解共感をしてほしかったのです。
 



わが子から、過去の自身の在りようを突きつけられた親御さんは、過去を悔やみ、罪責感から

わが子へのはたらきかけを止め、なすがままになってしまっていることが多いようです。

これでは当然解決は遠のくばかりです。




「人生ムダ無し」という言葉もありますが、過去の失敗は、そこから“教訓”を得たらいいんです。

そうすれば、過去はすべて有益となります。

教訓にするためには、気づきが必要です。

「どこに誤りがあったか」「どうすべきか」「なぜそうすべきか」

そういった気づきを得るためには、事実に対して謙虚さが必要です。

あれこれ言い訳をしないということです。

「一生懸命育ててきたのに」

でもその子には、何かが足りなかったのです。

それを目の前の現実が教えてくれています。




気づき、目覚めるためには柔軟な心が必要です。

囚われ、拘りの心は、頑なであり柔軟性に欠けます。

柔軟な心を養うためには、素直さを心がけてみましょう。

素直さとは、「何事にもありがたみを感じられる姿勢」です。

教訓は、これからに活かせば、未来が明るく開けてきます。

まさに有り難いことなのです。









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ひきこもり・不登校~失自然(宇宙)症


現代は自然との関わりが減り、知性の働きばかりを優先してしまったことで、

本能や動物的な感情に対する気づきが非常に鈍麻しているようです。

「失感情症」と言う病があるそうですが、現代病の病根だということです。




私が若いころ、「三無主義」と言う言葉がよく聞かれました。

無気力・無関心・無責任の三つです。

これに無感動が加わると「四無主義」です。

これは、ひきこもり者たちにもそのまま当てはまります。

さらには無所属が加わるでしょうか。




「心身医学」の故 池見酉次郎先生(九州大学名誉教授)は「失自然(宇宙)症」

と言う考えも提唱しておられました。

人間の身体は、自律機能が働き、自然の大いなるいのちと絶えず交流しそれに

支えられて生きているわけですが、人工物ばかりの中で生きていると、自分

たちを生かしている自然のいのちへの気づき、「自然の子」として生かされ

ながら「社会の子」として生きていると言う事実への気づきを失ってしまいます。

ひきこもり者たちは、「自然の子」ばかりか「社会(世間)の子」としての自覚も

もてないでいます。




池見先生は次のように述べています。

『人間は、「生かされて生きるいのち」への目覚めがあってこそ、今ここで

ベストを尽くし、周囲の人たち、生きとし生けるものへの自然な愛()を

もって、各人に与えられた独自の可能性を生かす生きざまになってくるものです』




「和」は、「やわらぎ」「なごみ」と読みますね。

思いやりをもって生きれば、自然と、社会性も生まれるものです。

他のために役立ちたいと考えるでしょう。

四季の変化が明瞭な日本は、人も自然の一部と考え、動植物と同じと捉えて

いました。自然より人間が偉いわけでもないのです。

実際人間は地球にあまり貢献していませんよね。

現代はどうでしょう。

自然への畏敬も失い、「自然の子」ということもすっかり忘れているようです。




私たちは「生かされているいのちに支えられて生きている」という自覚を

もって、その恩に報いる生きざまをそれぞれが心がけていれば、笑顔の

こぼれる社会となるでしょう。








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ひきこもり・不登校~自然に学ぶ畏敬の精神


私の母は、趣味で生け花をしておりました。

幼心に、常に部屋の中にきれいな生花が飾られているのがとても心地よかった

記憶があります。




生け花の心得に「花は手で生けるものではなく、足で生けるもの」とある

そうです。

これは「自分の足で歩いて、自然の中に咲く花々を実際に見て、その造化の妙

を生かしながら、生ける人の個性をそこに加えていく」ということだそうです。




人造りとしての教育も等しくこの心得が必要だと感じます。

子どもたちはそれぞれ、個性独自性を具えています。

白紙で生まれては来ても、紙質が皆違うのです。

まさに造化の妙です。

誰一人同じ人間はいません。

それだけでも価値があるのです。

紙質を無視して、周りの都合で勝手なものを描いては、紙は破れ(トラウマ)、

個性(わが子らしさ)が生かされず、大切なわが子の人生脚本が悲劇にもなって

しまいかねません。




生活が常に自然と接している時代には、心の病は少なかったという話が

あります。自然の慈母のような優しさを慕うと同時に、厳父の一面を畏れ、

逆らおうなんてことを考えなかったからです。

謙虚に四季の変化に順応して生きていました。

人は、「社会の子」の前に「自然の子」です。

自然に対してと同じように、敬意をもって育てていかなければなりません。




近代の歪んだ社会への過剰適応でストレスを溜め、精神疾患が増えている

背景には、人間の驕り慢心があります。

身体からの自然な欲求や感情にも気づけず、頭でっかちに教育され、生きて

いく上での様々な困難に柔軟に対応できる心のゆとりをもてず、倒れていく

のです。




『人間のもっとも大きな飢えは「人生が何のためにあるのか」という答えが

見つからないことだ』
という言葉があります。

ひきこもり者たちは、自分らしく生きていくその意味も見いだせないまま、

自分の世界に閉じこもり、孤立しているのです。

人生生きる目的身に起こる事の意味などを考えていくことを親子で

始めてみては如何でしょうか。








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