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解決支援者の現場日記

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ひきこもり(不登校)~親子が共に抱えること


ひきこもり問題は、実は親子で共通の問題を抱えています。

それは、避けている課題を行うことで自尊心が傷つくことを怖れていることです。       

やるべきことが見えたとしても、それを行うことでの結果をどうしても悲観的にしか想像できず、

踏みとどまってしまっています。




例えば、わが子に前に進むように促しても、反発されたらどうしようとか、子どもの方は、

行動を起こして失敗したらまた恥ずかしい思いをしてしまうとか。

お互い現状への不満より、それを改善するための取り組みへの不安の方が、はるかに大きいのです。

ですから、想定している成り行き(破滅的)や失敗への怖れからくる慣性(マンネリ化=あたりまえ)”

いかに戦うかが、改善にとって重要になってくるのです。 




そのためには、脆弱であるストレス(欲求不満)耐性を強化していく必要があります。

具体的には、レジリアンシー(心の柔軟性)を養っていきます。

よく「心が弱い」という言葉を聞きますが、心が強い人なんているのでしょうか?

心は、もろくて傷つきやすいものです。

ストレスに対して脆弱なのは、心が弱いからよりも、「固い」からです。

心は、剛柔で考えた方がよいのです。

心に柔軟性がない、つまり、頑なで、寛容性もなく、融通がきかないから、結果傷つく機会が

多くなるのです。

ゴムまりのように弾力性があれば、ストレスを吸収したり、跳ね返したりができるわけです。




レジリアンシーを身につけるためには、負荷(ストレス、痛み)は必ずしも傷つきではないという認識を

もつ必要があります。

善玉ストレスというもがあり、それはかえって人格の陶冶切磋琢磨になります。

つまり、成長を助けるのです。

ひきこもり者たちも“成長”させることで、人や社会へより貢献(役立ち)できるようになっていける

のですから、親子で同じ思いでいるということを自覚し、先ずは親がその見本を示すべきです。






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ひきこもり・不登校~フグの毒にあたる?③


〇親が子どもに責任を負わせようとする

親が自分の感情や考えや行動に責任をもたず、子どもにその責任を負わせることです。

例えば、子どもの成績が下がったり、素行のせいで、母親と父親が衝突したような場合に、

「あんたのせいで、お母さんお父さんから怒られるでしょう」とか、

「お父さん仕事で疲れているんだから、イライラさせないでくれ」とか子どもに言ったりとかが

ありますが、これは完全に責任転嫁です。




子どもの成績の低迷と夫婦の衝突は関係ありません。

イライラもあくまでも自分です。イライラしたくなければ、自分がイライラしないようにすれば

いいだけです。自身でイライラを選んでいるんです。

感情のコントロールが自分で出来ないでいることを子どもの責任にすることは、おかしな話です。

こういう状況にあれば、子どもは責任を感じ、無謀な努力を強いられたり、無用な挫折感を味わわ

される結果となります。




〇親のニーズが子どもより優先となる

親のニーズを満たすために子どもを利用するパターンです。

親の見栄などで、教育虐待を行ったり、習い事を強要する場合です。

これらは「条件つきの愛情」につながり、親の期待通りの子どもでいれば可愛がるのですが、

そうでなければ不機嫌になる。

子どもは「ありのままの自分では愛されない」と理解し、親の期待を読み取ろうとばかりし、

自分を見失います。

親の関心事から自分が外されていると感じれば、自分を肯定することはできません。

(続く)








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ひきこもり・不登校~フグの毒にあたる?②


親がもつ「毒」とは何でしょう。

それは、愛おしさ故のわが子への「執着」です。

執着を愛情と勘違いしてしまうことです。




真の愛情は、いわば「慈しみ」です。

わが子の健やかな成長、幸せを願う心です。

幸せは、あくまでも子ども自身にとっての幸せです。

親の都合の幸せではありません。

ましてや、親自身が叶わなかった夢を子どもに託し、それを生きがいとするのは、愛情ではなく

単なる執着、エゴです。




この見極めがつかないで、「良かれ」と思って子どもにあれこれ強制しようとすることが、

親の持つ「毒」です。

執着は、子どもの世界に垣根(境界)を越えて侵入します。

そして、コントロールし支配します。




「世代境界」の混乱について述べてみましょう。

〇親が子どもを同等のように扱う

年齢に相応しくない情報を知らせることです。

親のグチ(夫婦間や嫁姑の問題等)の聞き役にしてしまったりです。

以前、ある青年から「父親が転職する度に、父親の膝の上で心配事を聞かされましたよ」と話された

ことがありました。

小さな子どもに対応できるはずもありません。

結果、親は弱すぎて自分を守れないと思わせてしまいます。

頼りなくて子どもを常に不安にさせてしまいます。

(続く)








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ひきこもり・不登校~フグの毒にあたる?①


「親ガチャ」という言葉を使用することに対して、ネットやTVなどでも様々な議論がなされている

ようですが、それと合わせて「毒親」という言葉も近年はよく見受けられますね。

「親ガチャ」に関しましては、以前述べていますので、そちらを読んで頂ければと思いますが、

今回は「毒親」について少し述べてみましょう。




「親ガチャに外れた」もそうですが、「毒親」とみなされるのも、親としてはショッキングなこと

ですね。

毒親かどうかは、あくまでもわが子の判断によるものだと思いますが、親側は常に毒をもっている

という自覚が必要だと思います。

自覚があれば自重します。ときに猛毒となることだってありますからね。




存在そのものが毒親という人はいないでしょう。

毒になるような行為をしているから毒親なのです。

その行為をしなければいいだけです。

でも、毒をもっているという自覚がなければ、知らず知らず毒を吐いてしまうわけです。




「親ガチャ」もそうですが、「気がついたら目の前にいた人が外れでした」てなもんで、あたかも

存在そのものを否定するような表現ですが、これも行為が外れ(アウト)ということです。

ですから要は、「毒を秘めている」という自覚を親はしっかりもっておかなければならない

ということです。

フグと同じです(笑)。

(続く)








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ひきこもり(不登校)~家庭教育を考える⑤


支援者として、長く不登校児童やひきこもり者たちと関わってきて思うのは、家庭教育の要諦は、

「自己信頼感」「自尊感情」の育成ということです。

この二つが健全に育っていれば、将来を心配することはほとんどないと思います。

それこそ、学歴より何倍も大事だと思いますね。




これまでも高学歴のひきこもり者たちにも会ってきました。

しかし、彼らは自身の学力の高さを、自信の裏付けに全くできていませんでした。

俗に言う「屁のツッパリにもならない」ってやつです。

今時、塾へ通うことが当たり前のようになっていますが、部活動で疲れ、夜遅くまでの塾通いで疲れ、

家族とのコミュニケーションも充分にはかられないような生活をしていて、それで仮に学歴が取れた

としても、肝心の自尊感情が身に備わっていなければ、社会へ入っていく覚悟ができないようにも

なりかねません。




親の期待を読み取り、それに合わせようとしてきた子どもほど、本来の自分を見失っています。

ありのままの自分では愛されないと感じ、親の理想に合わせた虚像を作ってきたからです。

しかし、ありのままの自分に対しての自尊感情が高められてこそ、共感という社会性の土台が

築かれるものですので、当然、社会へ乗り出す覚悟ができないわけです。




また、自己信頼があってこそ、他者信頼もできます。

人は、自己認識に相応しい行動を取ろうとしますので、自分を否定的に捉えていれば、周囲が

自分を好意的に受け入れてくれるはずもないと、他者を信頼できず頼る(相談する)こともしません。




ひきこもり者たちが抱えているのは、空虚感です。

自身を「もぬけの殻」のように感じています。

そうすると、「さとられ不安」「見知られ不安」と言った他者と親密になることへの恐怖を

おぼえるのです。

こうして自分の殻に閉じこもり、孤立化し、ひきこもりが続くのです。








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ひきこもり(不登校)~家庭教育を考える④


「安定」について述べます。

これは、親が病気がちとか、転職や転居が多いなどもそうですが、親の一貫性のなさが注意が必要です。

言ってることとやってることが違ったり、前に言ったことと今が違うと、子どもは混乱し、情緒的に

安定できません。

また、親の感情の起伏が激しい場合も、いつご機嫌を損ねてとばっちりをくうのか分かりませんので

ヒヤヒヤものです。ウツ的に落ち込みやすい親の性格も、子どもに安心を与えません。




このような状態が続くと、常に緊張下に置かれますので、自然、緊張から解放されることを求める

よう
になり、徹底的にゆるむか、緊張緩和のために何事かに執着、依存します。

これが、自堕落な生活とゲーム(ネット)依存です。




安全、安定を欠いた家庭環境にいると、不安や恐怖を感じないように感情を鈍麻させていくように

もなり、無気力、無感情となります。

また、親の都合(欲求)で動かされる機会が多く、自己の欲求を抑圧する癖がつき、無欲の厭世者のよう

になってしまいます。

(続く)








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