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解決支援者の現場日記 トラウマ: 2018年7月

不登校・ひきこもり家族会の目的・意義 ⑦


ストレス(欲求不満)耐性の脆弱さを克服するためには、レジリアンシー

(心の柔軟性)
を養うことです。

前提として必要な認識は、負荷(ストレス、痛み)は必ずしも傷つきではない

ということです。

それは、人格の陶冶につながります。

「切磋琢磨」と言いますね。

つまり自らを磨き、練る。そして成長させていくわけです。

“成長”させることで、人や社会へより貢献(役立ち)できるようになります。
 



レジリアンシーの育成をどう行っていくか。

ひとつには、〈素直さ(心の豊かさ) 〉を養います。

素直さとは、いかなることにも(あるがままに)ありがたみを感じられる能力です。

次いで〈楽観〉

あたりまえのことも与えられた恵みと感謝できる心を養います。

そして命」への感謝〉を養う。

自分が生かされている命に支えられて生きているという自覚(エコロジー)が大切です。 

これは、天命を味わい楽しむという意味で、〈楽天〉とも言えるでしょう。




人が誤り(過ち)を改めてより良い生き方に改善できないのは、自分の非を

覚らないで、自分で自分を是なりと思い、自分の我を押し通すからです。

自己の非を知る素直な心をもって、反省ができる姿勢が大切です。




反省できるためには謙虚さが必要です。

謙虚さは、大いなるものへの畏れによって培われます。

鎌倉時代の歌人西行法師が伊勢神宮参拝の折りに詠んだ有名な歌に

『何事のおわしますをば知らねども、かたじけなさに涙こぼるる』があります。

これは、“精神性”とは違う人のもつ“霊性”をよく表しています。

レジリアンシーの醸成には、“霊性”が要になります。




大いなるものを前にして、自分の無知を知り、ありのままの(飾らぬ)自己に

立ち返り(正直さ)、いつも新しい地点(ゼロベース)から出発していく(やり直し)、

そこに謙虚さが生まれます。

他人の善い行いを見たら、速やかにこれに従い、自分に過ちがあれば、勇気を

奮って、これを改める。

こういった柔軟性こそが、レジリアンシーです。

わが子の今を招いた自身の過去の過ちを、勇気をもって改めることができますか?







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不登校・ひきこもり家族会の目的・意義 ⑥


長期化している家庭は、なぜ〈受容〉ができないのでしょうか?

相談窓口に行くのをためらうのは、わが子を問題児と見られたくない。

ひきこもり(不登校)の親(自分が問題)と見られたくない。

家族会に参加しないのは、「もし知り合いにあったらどうしよう」

といった理由が多いようです。




これらは、避けている課題を行うことで自尊心が傷つくことを怖れているのです。

これは、わが子の状態とまったく同じなのです。

ひきこもり者たちは、「二度と失敗をしたくない。傷つきたくない」と思って、

何にも取り組まない生き方を選択しています。

ということは、「なぜ、動かないんだ」と、かねてわが子に不満や憤りを感じて

いるかも知れませんが、自分自身とまったく同じ気持ちでいるということです。

ですから、わが子に共感できるはずです。




また、まったく同じ状況にあるからこそ、親が先にこれを乗り越え、それを

わが子に手本として示さなければなりません。

自分ができないことをわが子にしろと言うのはおかしな話です。

山本五十六の有名なリーダー訓がありますね。

「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」

やって見せる必要があります。




想定している成り行き(破滅的)や失敗への怖れから、日常に変化を起こすことを

ためらっています。

“慣性(マンネリ化=あたりまえ)”の法則』で、長期化を進行させているのです。

何でも「あたりまえ」と思ってしまうと、違和感を感じなくなってしまいます。

わが子が学校へ行かず家にいるのがあたりまえ。

外へも出かけず、自室にいるのがあたりまえとなってしまい、それを前提にした

家族の日々の営みができてしまいます。




この“慣性(マンネリ化=あたりまえ)”と戦い、傷つくことへの過度な怖れ

(ストレス(欲求不満)耐性の脆弱さ)を克服していくことを行っていかない限り、

長期化を食い止めることはできません。




この課題を家族会で共有し、共に学び合い、修得していくことは行わず、

グチをこぼしあっていても、解決どころか、かえって事態を深刻化させ、

「8050問題」を促進させてしまいます。

「グチ、自己正当化、責任転嫁」は、確実に人生を下降させていくことを

忘れないでいてください。







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不登校・ひきこもり家族会の目的・意義 ①


当協会では、開催目的別に3つの家族会を運営しています。

以前のブログでもシリーズで家族会の危うさを述べましたが、家族会は

運営のあり方いかんでは、かえって長期化を招いてしまう危険性があるの

ですが、早期解決のためには必要なものなのです。

実際は、多くの家族会が、自覚がないまま有害な救済策を取ってしまい、

事態をより深刻化させてしまっています。




ここで、解決を実現していく家族会の目的・意義について述べてみましょう。

当協会の運営しているひとつが〈たらちねの会〉です。

この家族会は、一般の当事者家庭を対象にしたものです。

“一般の”と言う意味は、当協会が関与していない家庭という意味です。

ですから、どのご家庭も現在進行形で、解決が進んでいない状態です。

この会の主目的は、わが家に不登校・ひきこもりが起こったら、何から始め

なければならないかを理解して頂く、もっと言うと気づいて頂くことです。

例えて言うと、家に居て、電話もしないでタクシーは迎えにきてくれない

ことを知ってもらいたいのです。




これに対し、当協会が支援しているご家庭のみの家族会〈北辰会〉があります。

この会では、これからわが子にはたらきかけを始めるという段階のご家庭から、

すでにバイトや進学(復学)、就職をしているご家庭までが参加しています。

もちろん、すでに社会参加を果たしているご家庭も、ご相談に来られた時点

では、ご子息は自室にひきこもっていた状態です。




「たらちねの会」と違い、結果が出ている〈先ゆく家庭〉があることです。

当然、希望がもてます。「自分たちも頑張ろう!」と。

家族会には、この〈先ゆく家庭〉の存在が必須です。

しかし実際は、多くの家族会で、この〈先ゆく家庭〉の参加があっていない

ようです。

さらには、ブログ「ひきこもり家族会が危ない!④」で述べたように、

当事者の声(何に苦悩しているのか)も分からないまま、ただ集まっている

家族会も少なくないようです。




また、「北辰会」の開催趣旨には、支援者に対しての不安や不満などを

抱えないで済むように、支援家庭が一堂に集まれる場としての機能も

含ませています。

すべてオープンにしているということです。

「他の家族にはどうしているんだろう?」

「他の家族はどうなっているんだろう?」

「取り組みが、うまくいかなかった家庭はないんだろうか?」(当たり前

ですが、あります。別の手立てを工夫していけばいいだけです)


成功事例だけではなく、失敗事例も貴重な参考事例になるのです。




だからこそ、オープンにしているのです。

これから、結果を出せる家族会の目的・意義を述べていきましょう。

色んなところ(行政・民間)の家族会に参加されて、希望を見い出せなかった方、

「家族会なんて無意味。単なるグチのこぼしあい。傷のなめあい」と

思い込んでいた方は特に、参考にしてみてください。







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