福岡｜引きこもり、不登校、アダルトチルドレンに関するご相談・支援・解決なら地球家族エコロジー協会へ

またこういう疑問を、やはり支援する立場の方から問われたことがあります。

私のメルマガのタイトルにある〈ひきこもりは動けないから解決できる〉という意味がどうしても

分からないというのです。

かねて訪問支援などが、本人にも会えず徒労に終わることが少なくない状況での切羽詰まった疑問です。




引きこもりは、本人が動けない（動かない）というのが大前提です。

であれば、動ける親、家族が動くしかありません。

ですがそれが結果として解決への道を開くのです。

なぜなら、親が原因に深く関わっているからです。

もっと言うと、親自身も引きこもり現象の当事者だからです。

本人が動かないから仕方なく親が動かざるを得ない。

でもそれが、結局事態を解決に導く。

それが〈動けないから解決できる〉の意味なのです。




動かないからこそなのです。

なまじ本人が動けば、かえって親は動きません。

本人がネットからSOSを出してきた時に多くが支援につながらないことがそれをよく物語っています。

「ご両親にここ(当協会)のことを伝えなさい」と促しますが、つながらないのです。

「自分で動けばいいだろう」と親から返されて終わるのです。

自分で動けるくらいならそもそも引きこもるなどしていません。

「8050問題は、親がつくっている問題です」と、かねてから私が申し上げているのは、こういう

理由からです。




親が担うべき責任は、まず「先に動く」ということです。

そして過度に自罰的にならない。

何の反省もないのも困った問題ですが、過度な自責感も、かえって責任の遂行から降りてしまい

ます。「親の資格がない」と。

そして償いとして面倒を見続ける（長期化）のです。

(続く)









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ある引きこもり支援者の見解を見る機会がありました。

『親御さんは「自分の育て方が悪かったのではないか」など、自責の念に駆られていることが

ほとんどです。けれども私たちは、親がこうだったから子どもが不登校になったのだとか、

親がこうしてやらなかったから引きこもりになったのだとは考えていません。

お子さんは自身の特性や家庭環境、学校での環境など、色々なことが複合的に作用して、今は

足踏みをしているのかもしれません。でも、これが一生続くわけではなく、お子さんには今、

足踏みをしている必要があるのでしょう』

という考え方です。




これに対しての私の見解を述べててみましょう。

この支援者の意見に「家庭環境」という言葉が出ていますので、この支援者も認識してはいると

思うのですが、「親がこうだから・・・とは考えていません」とあります。

ですが、そう考えていますよね。

恐らく、自責の念に駆られている親御さんに配慮して、色々複合的な原因で起こっているので

そう責任を感じる必要はありませんよと言いたかったのだと思います。

しかし事実は、大きく影響を与えています。




子の育ちに親が関係しないはずはないでしょう。

ただ、親を悪者にするのは意味が全くありません。視点が歪んでいます。

複合的、重層的な原因で生じている現象の分、シンプルに捉えていく必要があります。

つまり、本質的な部分を押さえるということです。

「悪者は誰だ？」ではなく、それぞれが責任もって解決のために担うべき役割は何かを自覚する

ことです。

(続く)








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新たな挑戦には勇気が必要です。

それを阻むものが過度な罪悪感です。

わが子と向き合うことでの想定される葛藤を恐れていませんか？

わが子から発せられる声に怯えていませんか？




子どもの養育の責任を親としての存在意義とする親にとって、現状のわが子の在りようは、耐え難い

苦痛です。だからこそ、過度に自分を責めさいなむことも少なくありません。

ですが、ここで言う責任とは、「あなたが悪い」ということではなく「いかなる結果もその原因を

つくる責任が自分にある」ということです。

〈生きることに対する責任〉です。

自分の判断、選択、決断、行為・行動には責任をもたなければなりません。









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引きこもり者たちが、今まで出来なかったことが出来るようになってくることで、不安を感じ

止まってしまう場合があります。

自分でなくなってしまうような感覚に襲われることからです。

〈気力のなえた悩める者〉という自己認識で長年きた引きこもり者たちが、〈元気な積極派〉になる

ことは、到底想像もつかないことなのです。

どんな自分になるのかもイメージできません。

見たことも触れたこともないものは、認識の外、未知の世界なのです。




これらと同じように、長期化している家庭では、わが子が現状を打開し、あたりまえの社会生活を

している様をイメージすることすらできないでいます。

ですから、解決策が目の前にあったとしても、「ウチの子の場合は無理」となってしまって、取り

組もうという動きにもならないのです。

「8050問題」は、誰が生じさせている問題なのでしょうか？








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長期化している家庭では、親が、わが子が普通に社会生活している姿を全くイメージできていない

（信じていない）状況があります。

では、「信じて見守っている」のは何を信じているのでしょう。




信じているというよりも、これ以上不信感が強まることの無いよう見守っているのです。

はたらきかけに対して反発されれば、希望がさらにもてなくなるからです。

それは同時に、親としての役割、立場に自信をもてなくなることでもあるからです。




わが子の存在や可能性に信頼を寄せることが大切です。

わが子への信頼度が、そのままわが子の自尊心に関わってきます。

信頼が伝われば、自尊心は自ずと高まります。

信頼の度合いは、形（行動）に現すことが大切です。

ただ信じる（思う）だけでは、何も変わりません。

ストレス耐性の脆弱さや、自制心の欠如、問題解決力の未熟さを招いた要因をつかみ、生きていく

ことの希望をもたせていくための主体的なはたらきかけを続けていくことです。









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現実直視を避け、思考停止を続け感覚を鈍麻、麻痺させていく行為は、痛みから自分を防御する

手立てでもありますが、同時に退屈さを招いてしまいます。

毎日の生活に充実感もなく、気分が高揚することもなく、油断していれば恐ろしいまでの孤独感に

苛まれてしまいますので、ゲームなど手軽な時間つぶしの道具に耽溺することで、紛らわそうと

するのです。




退屈感の底には、空虚感が伴っています。

何をやっても虚しいだけで、生きていることの価値も見出せずにいます。

このような状態にあるわが子に対して、親ができることは何でしょう？

セルフネグレクトを外部から止めることです。本人の意思に任せない（頼らない）ということです。

引きこもり者たちは、自分を大切にすることを教わってきていません。

「大切に」というのは、成長、成熟させるために、大事に扱うということです。

可能性を信じて、開花するための挑戦を怠らない（課題を与える）ということです。

(続く)









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「わが子の生きる力を信じて、見守っていきたい」という言葉をよく聞きます。

この言葉は実は、親の慢心と、直視恐怖から発せられるものです。




〈生きる力〉を信じても、動き出せるわけではありません。

そもそも〈生きる力〉は、わが子の(意志の)力ではありません。

生きているのは「生命」の力、はたらきです。

「生かされて生きている」という自覚と感謝が無く、さも自分で生きているといった思い上がり

(慢心)が、自己の見識への誤った信念を招きます。




見守るという行為は、わが子との葛藤を避けるための方便です。

充実したより良い生き方ができるためには、向上心と利他心を養っていくことが大切です。

向上心と利他心は、成長を促します。成長は充足感を伴います。

成長を促すためには、わが子の可能性を信じ、敬意をもって存在を尊重し、共感的理解を深め、

寄り添っていくことです。

それはわが子に安心感を与え、変化を起こす勇気と意欲につながっていきます。




〈生きていく力〉〈生きぬく力〉こそが、本人の意志の力であり、逃避ではない適切な問題改善法

なのです。

自分の人生に責任をもち、自己を信頼し、生きがいのある志をもって他者の役に立っていくことが、

自己存在の価値を高め、意味あるものに変えていきます。









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不登校・引きこもりは、治療を要するものでしょうか？

「なんとか一歩手前で食い止められないものか」といった声も聞かれます。

しかし、ここで大切な視点があります。




例えば、発熱や嘔吐、下痢などは、安易にその症状だけを強引に止めるというのはよくありませんね。

発熱や嘔吐も、体から悪いものを撤退させるための病原から身を守るための反応です。

いわゆる自己防衛です。

それらは苦痛を伴うものですから、なんとかおさまらせようと薬を飲んだりするのですが、それだと

かえって状態を悪くしてしまう場合があります。




不登校・引きこもりも実はこれと同じで、病原を解消しようとする治療法なのです。

病原は、家庭に潜む本質的問題であり、ストレス耐性の脆弱さや問題解決力の欠如などが症状です。

そこから自滅的な生き方の歪みを招き、家庭の本質的な問題を治そうとした無意識の行動が不登校・

引きこもりなのです。

これを「治療的行動化」と申します。

症状は根っこにある病原を教えてくれているものですから、変な言い方ですが、単にそれだけを止め

ようとしない方がいいとも言えます。

また、自己治療であるわけでから、病院に連れて行こうとするのは、治療法を治療するというので

おかしなことですね。

(もちろん、疾患や障がいの症状としての不登校・引きこもりも一部あります)









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