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解決支援者の現場日記 家庭問題 8ページ目

ひきこもり・不登校~解決のために必要なこと⑦


解決していく家族(A)、長期化させる家族(B)の違いを続けます。

Aは、常に問題解決に寄与し、Bは、常に新たな問題を引き起こします。

Bは自己都合ばかりの独りよがりの考えで、さらに問題をこじらせます。




これは、誰の困りごと(問題)を解決するのか?ということです。

「困った子です」と、嘆かれる親御さんがいますが、一番困っているのはわが子の方で、「困った子」

ではなく、「困っている子」です。

つまり、問題解決というのは、わが子が抱えている問題(困りごと)こそ解決していかなければならない

ということです。




本人はどうしていいのかも分からず動けない状態にあります。

親御さんも同じでしょう。

分からないことがあれば、調べる、人に尋ねる、腰を上げて訪ね歩くが基本です。

ところが、自分の考えだけで判断しようとしたり、世間体などを気にするあまり、家族会や相談窓口

にも行かないことが少なくありません。

今は、インターネットでも多くの情報が無料で得られ、講習や相談もオンラインで受けられる環境が

あるにも関わらず、そういったことに疎いという理由だけで情報難民になっている家庭もあります。




自分なりの考えできた結果がまさに今です。

その現状に対して、さらに自分なりを続けていけば、さらなる問題を招き事態をこじらせていきます。

親の自己都合の優先は、親子関係の乱用であり、子どもは混乱し、ご乱心となるのです。

過去の結果としての今に適切に対処するためには、一旦自我を離れることが大切なのです。

(続く)









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ひきこもり・不登校~解決のために必要なこと⑥


解決していく家族(A)、長期化させる家族(B)の違いを説明します。

Aは、常に解決法を考え、Bは、常に他者の問題点ばかり指摘します。

Bは「過保護、過干渉だから」とか「子育てに非協力的だったから」とか、自分以外に責任転嫁し、

他者を責めます。




よくある犯人捜しですね。

先にもあげたように、人間はとかく責任転嫁して自己正当化しやすい生き物です。

わが家に一大事が起これば、自分はその原因には関わっていないと思いたいものです。

ですが、犯人捜しはいらぬ争いを招いてしまいます。

犯人にされた方はいい気持ちがしませんからね。

そういう意味でも、犯人捜しは無用です。




がしかし、私が無用だと申し上げるのは、そういったことよりも、犯人は家族全員だからです。

全員ですから、もちろん本人(わが子)も含まれています。

ですから、捜すという必要がないのです。

わが子に起こっている出来事(病気等ではなく)その原因に、両親が何ら関わっていないことなど

あり得ません。そして改善が進まない原因には本人の生き方が大きく関わっているのですから。




今こそ、動けないわが子のために両親が意思統一をはかり、一致協力していかなければならない時に、

互いが責め合っても何も生まれません。

もしそうであったならば、その両親の関係性がひきこもりを招いた一因でもあるとの認識も必要です。

お互いそれぞれで自己反省をすればいいんです。自分で反省すれば腹も立ちません。

そして互いで労いあえばいいんです。

「お母さん、いつもご苦労さま。感謝してます」

「いえいえお父さんもお疲れでしょう。ありがとうございます」

「一緒に力を合わせて解決していこう」

そうして励ましあいわが子を救っていくんです。




重要なことは、わが子が何ができなくなってしまっていて、動けなくなっているのか。

どういう不安感を抱えてしまっているのか。

どういった経緯、背景があって今に至ったかを確認し、その上で適切な解決法を行っていくことです。

誰が矢を放ったかを詮索する前に、傷をおったわがこの手当て(解決法)を真っ先に行うのが道理です。

(続く)








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ひきこもり・不登校~解決のために必要なこと⑤


解決していく家族(A)、長期化させる家族(B)の違いを説明します。

Aは、常に行動していますが、Bは、常に言い訳を考えています。

Bは「本人が気づかなければ、何をやってもムダ」と、自己正当化をします。




何事もそうですが、実行動がなければ結果、成果は出ません。

当たり前のことです。

人は誰しも自己正当化したがる傾向があります。

責任を負いたくないからです。

ですから、事の原因を他(自分以外)にもっていきたいわけです。




ひきこもり現象は、本人は動けないが大前提です。それをひきこもりと言うのですから。

ですから、「本人が動かないから」は、行動できない(しない)理由にはならないのです。

ひきこもりの相談窓口で「本人を連れてきて下さい」と言うのと同じですね。全くトンチンカンです。

原因を自分以外に置いている内は、何も変わりません。

原因の対象にした相手が動き出すのを待つだけで、自分は何も動こうとしないからです。

「何をやってもムダ」と決め込んでしまえば、当然はなから何もしませんよね。

ムダなんでしょうから。

「本人が気づかなければ」と言うのであれば、黙っていても気づきようがないのですから、気づか

せていくのは動ける親の役目です。

本人の責任、母(父)親の責任、学校の責任、社会の責任と投げていては、事態の改善は一向に

期待できないでしょう。

最後には、「ついてない」と運のせいにしてしまいかねません。

つきが巡ってくるのをただ待ち続けますか?




責任は、「取る(負う)」のではなく自ら能動的にもつのです。

自分からもてば、解決に向けての主導的立場に自分を置けます。

不可抗力的に起こった出来事の場合でも、それへの対処の責任は自分にあるのですから。

主導者になってこそ、解決も早まります。

「取る」と「もつ」では大違いなのです。

自分の人生に責任をもたなければ、人生から責任を取らされることになるでしょう。

(続く)









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ひきこもり・不登校~解決のために必要なこと④


解決していく家族(A)、長期化させる家族(B)の違いを説明します。

Aは、常に「先ず自分が動こう」と思い、Bは、常に「時間が解決する」と思っています。

Bは時間が経てば、そのうち気づいて動き出すと思い込んでいます。




「時間が解決する」というのは、〈時薬〉という言い方があります。

確かに、失恋の痛手やペットロスなどは時間の経過とともに自然と和らいでいくでしょう。

それこそ親の死でもですね。

しかし、ひきこもり(不登校)現象は、〈時薬〉は効きません。

なぜなら、解決困難な問題を抱えているからです。




時間が経てば、そのうち元気を回復するだろうと思って待っていると思いますが、時間が経過する

ごとに意欲曲線は、右肩下がりです。

考えてもみてください。

日毎に履歴の空白期間が伸びていってるのです。

わが子の身になれば、意欲が下がることは分かるはずです。

問題は、解き、解決していくことを実行していかなければそのままです。

放置すればどんどん大きく(深刻に)なっていきます。

病気と同じで、初期であればなんでも治りが早いということです。




不登校やひきこもりの問題点は、登校しないとか働かないではなく、ひきこもっている間の過ごし方

にあります。

原因になったことの解決のための取り組みは何ら取られず、意識を逸し、現実逃避のためのゲーム等

に明け暮れていることです。

日々の過ごし方が準備となり、その過ごし方に相応しい状況が、将来待っている(用意されてしまう)

ことを忘れてはならないのです。

解決のための種を蒔かずして、豊かな収穫(解決)はありえません。

動ける者が先に動く、それしかないのです。

(続く)








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ひきこもり・不登校~解決のために必要なこと③


解決していく家族(A)、長期化させる家族(B)の違いを説明します。

Aは、常に「引き受けた」と言い、Bは、常に「子どもしだい」と言いいます。

Bは〈この子〉の問題であり、〈わが子〉の問題という自覚がなく、子どものやる気に依存し、

子ども頼りとなってしまっています。




ひきこもり(不登校)現象の大前提は、本人は動けないということです。

そもそも何を言っても動かないことで「困ったものだ」と嘆いているわけですよね。

であれば、そんな状態のわが子が自ら動き出すのを期待できますか?

動けないわが子に頼ってしまっていることになりませんか?

嘆きたくなるわが子に頼っている自分って、なんなんでしょう?

どこかのCMではないですが、「そこに愛はあるんか?」ならぬ「そこに主体性はありますか?」




〈この子〉の問題としている内は、他者の問題としていますから自分は動きません。

あくまでも本人しだいとなってしまいます。

この子は〈わが子〉です。の子です。

ですから、問題の主体は「私」自分です。

不安を抱え動けないでいるわが子をもつ親としての自身の問題として受け入れ、責任もって引き

受け自分が動いていくことで、解決していけるのです。

(続く)








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ひきこもり・不登校~解決のために必要なこと②


解決していく家族(A)、長期化させる家族(B)の違いを一つずつ説明してみましょう。

Aは、常に現実を認め、Bは、常に現実を否認します。

Bは直視恐怖がありますから、現実に抵抗します。

現実を見なければ何が起こっているのかも認識できません。

であると、目先の「困ったな」に意識が集中してしまい、不登校であればとにかく学校に行かせ

ようとしたり、ひきこもりであれば、外に行かせよう、働かせようとします。

また、わが子が不登校であるとか、ひきこもりであるとかを認めがたく、「違う、違う、そのうち

動き出せるはず」と、根拠のない期待を抱き、対応を先送りしてしまいます。




登校できないのも、年齢相応の社会生活を送れないのも、原因理由があります。

その原因をつかむことが大切です。

わが子の中に何が起こってしまっているのか。

不登校やひきこもりは、例えるならば症状です。

発熱や嘔吐みたいなものです。

病根を改善、解消しない限り、継続し、また一旦動き出せても再び繰り返します。




わが家の中で起こってしまっている問題を、リトマス試験紙のように現してくれているのが子どもの

逸脱行動です。

解決のためには、しっかりと現実に起こっていることから意識をそらさないことです。

事実に対して謙虚になることです。

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ひきこもり・不登校~問題の見誤り③


ひきこもり者の特徴にあるのは、拘り囚われ変化への適応力の欠如です。

環境は常に変化しています。それに適応していくためには、変化に合わせて自己変革を継続して

いくことです。

しかし、この自己変革を阻んでいるのが、現状への拘り囚われです。

それは同時にマンネリ化(現状維持)を招きます。マンネリ化=長期化です。




環境(相手)が都合のいいように変わることばかりを期待し、自分を変えることをしません。

親も現状の「困った」に気を取られるあまり、わが家を〈より良く〉していく、家族がより良く

生きていくことが見落とされてしまっています。

背景にある「生きにくさ」「人に癒されなさ」「安心感・安全感の欠如」を決して見過ごしては

なりません。




未来のわが子、わが家、自分のあるべき姿が見えていますか?

ひきこもっていること以外問題はありませんか?

家族のコミュニケーションは円滑ですか?

両親(夫婦)の意思統一は図られていますか?

わが子がひきこもることで、隠れていた様々な問題もあぶり出されてきます。

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ひきこもり・不登校~問題の見誤り②


問題の大きな見誤りの一つは、当事者をひきこもるその者1人に見立てたことです。

ひきこもるという行動は、心的防衛策です。

安全を脅かす環境からの退却(退散)一時避難です。

それが、一時に終わらず継続されたことで、昼夜逆転や不衛生で自堕落な生活という症状が現れます。




症状の改善に一生懸命になっても、病根がそのままであれば、再びぶり返します。

ひきこもる行動をしているわが子を問題視していれば、周囲はただ待つのみです。

何事から自分を守る必要があったことを理解できず、退却を続けさせた当事者は自分であることを

親は自覚しなければなりません。

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ひきこもり・不登校~人生早期にあった原因


ひきこもり者の特徴して、自主性自分を癒す力なだめる力といった自制能力の欠如共感能力

信頼感表現能力などの人間関係の構成能力の欠如があげられます。

こういった傾向がどこから生じるのか。




ひきこもり者たちは、発達の過程にある「心理社会的危機(発達課題)」をうまく乗り越えること

が出来ずにきました。

「この世界は安全だ」という基本的信頼感は、乳児期(〜9ヶ月)に備わる重要な課題であり、

不信感が備われば、その後の人生観に大きな悪影響を与えます。

歩行期(〜3歳)は自律性から意志力が備わる時期ですが、先回り保育や失敗への過度な叱責は

羞恥心を与え、挑戦を避けるようになります。

遊戯期(〜5歳)は強い好奇心が出てきますが、うっとうしがったり、過度な躾は、罪悪感

植え込んだり積極性を妨げ、目的意識の獲得を阻みます。

学童期(〜12歳)は、学校生活の中で自己効力感を得られぬと、社会に出る覚悟ができなくなります。

青年期(〜18歳)のアイデンティティの構築が損なわれると、自分は何者かが分からず、あるが

ままでいられなくなります。




こういった本質的な改善点に焦点を当てた支援がなされなければ、あたかも疫病か憑依現象のように

取り扱われ、ある日罹ったら最後と、家族自体が社会から隔離された生活を強いられるようなことに

なってしまいかねないでしょう。









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ひきこもり・不登校~親の課題という自覚


偏った報道のされるような事件は、ひきこもりの状態にあったということよりも、誰であれ、

追いつめられた状態になれば犯罪行為に至らないまでも、極端な行動に出てしまうことによるもの

という認識が必要です。




「追いつめる」ということで言えば、10年以上もひきこもっているわが子に対して、「いい加減

働いたらどうだ」と平気で言い放つ親はいかがなものでしょう。

共感的理解能力が足りません。

つまりわが子の身になって、子の立場に自分を置き換えて考えることが出来ていません。

10年以上も履歴に空白がある履歴書を携えて面接にいけるのでしょうか?

親子間でもほとんどコミュニケーションが取れていない状態にあって、他者との接触、人間関係の

構築ができると思っているのでしょうか?

「崖から飛び降り空を飛べ」と言っているのと同じです。

追いつめられるのは当然です。




「子の問題」と捉えている限り、解決は望めません。

親である自身の問題であることにたどり着かなければ解決しないのです。

どのケースも1日から始まり、1年、10年、20年となっているのです。

「いつになったら動きだすんだ」とただ待っていては、親は何のリスクも負っていません。

自ら変化することで、事態の変化を起こす勇気をもつことが解決へと導くのです。

ひきこもり者たちは、挑戦への勇気をもてないでいます。失敗(リスク)が怖いからです。

先ず親が、勇気の手本を示してあげましょう。








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