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HOME > 解決支援者の現場日記 > アーカイブ > 不登校: 2024年6月

解決支援者の現場日記 不登校: 2024年6月

ひきこもり・不登校~心を蝕む日常とは?⑤


持続される日常のストレスは、トラウマ化され、ストレスや欲求不満耐性の脆弱さや、自制能力

人間関係構成能力の欠如につながっていきます。

これらが、不登校やひきこもりという現象を招いてしまっているのです。




持続される日常のストレスは、慢性的なストレスであり、次のような状況でより心にダメージを

与えます。

ひとつは、予測ができない場合です。

親の感情の起伏が激しく、急に不機嫌になり怒りだす。

子どもは理由も分からず叱責され恐怖すらおぼえます。

また、逆にふさぎこむ。特に母親の落ち込む悲しげな姿は、子どもに不安を与えます。




そして、コントロールできないストレス。

親の態度や行動は、コントロールすることができません。

それが予測を困難にもしますし、事態が起こってしまえば自分でどうすることもできず、無力感

抱きます。

これは何事をも否定的悲観的にしか捉えられなくなります。




ストレスは、ガス抜きが出来ていれば溜めずに発散出来ていいのですが、「泣くな」「笑うな」

「はしゃぐな」「騒ぐな」など、感情の表出や楽しみが許されませんと、溜めこむばかりです。

やがて爆発するか、くすぶると怒りが恨みに変容していき、人格を歪めていきます。




「日常的混乱」(=日常のいらだち)について述べてきましたが、これらは、日常から安心・安全感

を奪い、社会的なつながりをも絶ってしまう「ひきこもり現象」の誘因となっているのです。









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ひきこもり・不登校~心を蝕む日常とは?④


「日常的混乱」(=日常のいらだち)を続けます。

他の子どもと比較すること。

兄弟間での比較や、他人(友人や身内)との比較ですね。

「妹は○○なのに、お兄ちゃんなんだからしっかりしなさい」

「○○くんは、○○大学に行ったそうよ」とか、常に誰かと比べ貶めるパターンです。




励ましているつもりかも知れませんが、いらぬ世話です。

この比較された話は、当事者たちからよく出てきます。

それだけ、とても嫌なことなのです。

こういう親御さんほど、他の子どもたちの元気な姿を見るに堪えなく、周囲との関りをもたなく

なっていきます。

わが子の現状と比べて悲嘆してしまっているのです。

これも長期化のひとつの要因です。




子どもへの関心・関与が少なすぎる、これもダメージは小さくありません。

以前、あるひきこもり者に「父親から説教されたことある?」と尋ねた時に、

「いいえ何も言われていません」と答えたので、「良かったね。責められなくて」と伝えたところ、

「親父にとって、俺が退学しようが、ひきこもろうが、どうでもいいんですよ。自分には関係ない

ことなんでしょう」と、返されました。

愛してもらえているとは思えませんよね。

とても寂しげで悔しさのにじみでた表情が、印象深く記憶に残っています。




この反対は、過干渉ですね。

過干渉は、干渉を愛情と勘違いしています。

それは愛情ではなく、単なる執着です。

また、親自身の不安の解消のために行っています。

子どもをコントロールしようとすると、そこに遠慮も慎みも無くなり、子どもの世界に侵入しようと

してしまいます。

わが子への敬意を失うと、わが子の自尊心を育てることができません。




これまで挙げたような「日常的混乱」がありますと、それらは「持続的なストレス」となり、

トラウマ化されるのです。

親が親として機能しないと、子どもはありのままの自分を見失い、「ここに居ていい」という自覚を

もてず、身を潜める生き方しかできなくなるのです。

(続く)










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ひきこもり・不登校~心を蝕む日常とは?③


「持続的なストレス」について具体的に述べてみましょう。

主に「日常的混乱」(=日常のいらだち)の中にあります。

日常と言えば、当然家庭の中でということが多いわけです。




一番大きなダメージになるのは、やはり家族間の不和ですね。

特に両親間です。両親の小競り合いをしょっちゅう見せつけられるのは、子どもにとっては不安な

ものです。また、祖父母と親との間柄や、親族との関係なども、同じです。

職場でもそうですが、要は人間関係に不具合があれば、それはかなりのストレスとなるわけですが、

それを日常的に見せつけられていれば、子どもの心には傷を与えます。

他人ではなく、肉親ですからね。




次にあるのは、親の資質に関することです。

感情の起伏が激しく情緒不安定な場合、例えば急に怒りだす、急に落ち込むなど感情の波が大きい

と、子どもは混乱するばかりでなく不安になります。

また、子どもの発達課題に適切な対処ができない親は、不安定なわが子に寄りそったり、受けとめ

たり、導いたりができず、子どもの成長の機会を逸してしまいかねません。

子どもっぽい親や、愚痴っぽい親も、頼れず不安にさせます。

特に愚痴は煩わしくもあり、悲観的な人生観を与え、生きる意欲をそぎます。

まだまだ続きます。

(続く)









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ひきこもり・不登校~心を蝕む日常とは?②


不登校、ひきこもり、いずれも内(自己の世界観)に閉じこもってしまう現象ですが、

これは簡単に言えば「穴があったら入りたい」という状態です。

つまり、恥ずかしいんです。表に出ることが。




恥ずかしいと言っても、単に恥ずかしがり屋さんとか、引っ込み思案といったレベルでは

もちろんありません。

私たちが日常の中で、恥ずかしい思いをすることはよくあることです。

私も自宅前の階段で転倒し、顔面の擦り傷で絆創膏だらけで病院に行った時、とても恥ずかしい

思いをしたことがあります(笑)。

子どものころから考えたら、数え切れないほどあります。

しかし、不登校やひきこもりの抱える恥ずかしさは、こういった次元のものではありません。




「羞恥心」という言葉がありますね。

これらはとった行為・行動を恥じることです。先ほど私の例であげたようなことです。

転んでひっくり返る。妻の目の前でこけましたので、大笑いもされました。

ひきこもり者たちの抱えている恥ずかしさは、「恥辱感」といったものです。

これは、しでかしたことを恥じるのではなく、自身の存在自体を恥じているのです。

行為・行動は、再びしでかさないようにしていけばいいだけです。

しかし、存在を恥じている場合は、当然その存在を隠さざるを得なくなるのです。




では、なぜ存在を恥じるようになってしまったのでしょうか?

不登校だから、ひきこもりだからではありません。

それは結果です。

その前から自分が恥ずかしかったので、そうなったのです。

もちろん、不登校、ひきこもりになったことが、さらに恥辱感を強めてしまったことは否めません。

恥辱感につながった「持続的なストレス」について述べてみましょう。

(続く)









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ひきこもり・不登校~心を蝕む日常とは?①


不登校でもひきこもりでも、そこに至った背景には、大きな失敗や挫折体験があったのであろうと、

一般的に考えられます。

しかし実際には、さほど立ち上がれないほどの失敗も挫折も無かったというケースは、

少なくありません。




もちろん、傷ついたり、落ち込んだりというのは、主観的なものですから、客観的に見たら

さほどでもないことでも、当人にとっては耐え難いものであるということは、ありますが。




ではいったい、何があって子どもたちは、若者たちは、人は、自己の世界観の中にだけ

閉じこもってしまうのでしょうか?

それは、持続的なストレスです。

「日常的混乱」(=日常のいらだち)が、ストレスを蓄積させ、トラウマとも思える甚大なダメージを

心に与えてしまうのです。

(続く)









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ひきこもり・不登校~理解・会得・行動無くして解決なし!

かねてご相談者の方たちに私が必ずお話ししていることは、解決のために必要なことは、

一にも二にも「理解」だということです。

何を理解するのかと言いますと、不登校・ひきこもりという現象の理解です。




不登校・ひきこもり自体は、病気や障がいではありません。

ひとつの現象です。

どのような背景原因から生じるのかの理解が必要なのです。




理解を、わが子からの要求を何でも受け入れることと勘違いしている親御さんもおられますが、

それは理解のある親ではなく、子どもにとって都合のいい親というだけです。

ATM代わりになっている親御さんもおられました。




子ども自身も、何をどうしていいのか分からなくなってとどまっています。

親子で右も左も分からない状況で長期化が進んでしまっていますので、理解が何よりも必要なのです。




さらには、「理会」を勧めています。

理解に「会得」を加えた理会です。

何事も、知識の範囲で終わっていては、結果は出ません。

結果を出すための行動が必要です。




不登校・ひきこもりへの対策は、「問題解決」という認識が大切なのです。

自力では解決できないある問題を抱えてしまっての今です。

ですから、解決法によってその問題を解決しない限り、じっと待っていても解決はあり得ません。

わが子が抱えてしまっている問題の解決法を会得し、現実に行動していかない限り、解決は

なされないのです。

この「理解」と「会得」ができるためには、どうしていかなければならないか考えてみられてください。









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