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解決支援者の現場日記 不登校: 2024年5月
ひきこもり・不登校~親と子は一心同体ではない⑤
健全な自己愛が育っていない親は、わが子から愛されたい、守ってほしい(愛の逆流)という思い
から、わが子との「境界」を踏み越えてしまう具体例をあげてきましたが、
最後に紹介するのは、親が子どもに自分と同じでいるように求める例です。
これは、親の価値観の押しつけです。
ひと頃「宗教2世」の問題がニュースを賑わせましたが、その典型ですね。
いくら親子であっても、別人格の他人です。
価値観はそれぞれです。
しかも、親の価値観が常に正しく、適切であるとは限りません。
そもそも、押しつけがなくても、子どもに与える親の価値観の影響は大です。
衣服に沁み込んだ臭いのように、知らず知らず染みついています。
親が好むものを好ませ、分身のように自分と同じでいるよう求めてしまえば、結果、わが子の意思や
行動を支配してしまい、自分らしさ(アイデンティティ)の構築を妨げてしまいます。
人は、それぞれの役割、独自の天命といったものを授かっています。
天命を果たすために天分が備わっているのです。
親の期待に応えるために生まれてきたわけではありません。
人はそれぞれかけがえのない存在です。
自分ならではの独自性を発揮し、互いが個性を活かしあいながら支えあって生きていくことが
仕合わせではないでしょうか。
「仕合わせ」とは、互いに「する」行為が「合わさって」もたらされる意味を持っています。
たとえば、夫婦や親子が、互いのために思いやりを込めた行いをし合う状態を考えれば、
それが「仕合わせ」な状態そのものでしょう。
自分が何者かも分からないようでは、天命どころではありません。
自分が何者かは、親に決められるものではないのです。
「境界」を踏み越える具体例をあげてきましたが、心当たりはありませんでしたか?
境界への侵入は、一人の人間としての価値がないというメッセージを与えてしまいます。
境界があれば、誰が何に責任を負うのかが区別でき、わが子に無用な責任を負わせず、罪悪感や
自己否定感を抱かせずにすむのです。
親の期待は、ともすると、コントロール幻想を招いてしまいます。
健全な自己愛が育っていない親ほど、コントロールすることで自己存在の確認をしようとする
わけです。
愛情と思っている行為も、子ども側からすると、強制や支配、侵入となってしまうのです。
境界への侵入を防ぐ最もたるものは、「敬意」です。
ともすると、執着を愛情と錯覚してしまいます。
敬意を常に伴うことで、真の愛情となります。
自らを慎み、相手を尊重することで、境界を踏み越えることを防げるのです。
(終)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2024年5月27日 06:11
ひきこもり・不登校~親と子は一心同体ではない④
次に、親が子どもを自分の延長とみなす例です。
前回の例は、親のニーズが子どもより優先となる例をご紹介しましたが、これは、親がはたせ
なかった夢を子どもにはたしてもらおうとするケースです。
ピアニストになりたかったからピアノを習わせる。
プロ野球選手になりたかったから、野球をさせるといったことは、よくあることです。
もちろん何事も程度というものがありますから、強制とまではいかないほどであったり、子ども自身
もそれを望んでいた場合は、問題ありません。
ただ、子どもも望んでいたとは言っても、前回述べたように、子どもは親の期待を読み取り、
本心ではなくてもそれに合わせるといったこともあります。愛されんがためです。
ですから、本心から望んでいるのか注意しておく必要があります。
やりたくもないことをさせられるのは、大人でも嫌ですよね。
ましてや、自分の夢の実現のために、わが子をそちらへしむけ、その達成を生きがいにするような
ことは避けなければなりません。
親が決めたことに従わされ、子どもは、自己判断、自己決定ができなくなってしまいます。
子どもは親の道具でも所有物でもありません。
親の「使命」を負った子にしてしまってはならないのです。
人は皆、各自の「天命」を授かっているのですから。
(続く)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2024年5月25日 06:15
ひきこもり・不登校~親と子は一心同体ではない③
次に、親のニーズが子どもより優先となる例です。
これは、「あなたのためを思ってよ」という言葉に代表されるのですが、これを錦の御旗として
挙げられると、子どもは何も言えなくなってしまいます。
子どもたちが一番嫌う言葉でもあります。
と言うのは、本当にわが子のことを思ってだったら良いのですが、実は親自身の欲求であったりが
あるわけです。
「○○大学へ行きなさい」
「△△会社がいいよ」等々
その裏に虚栄心がありませんか?
なぜ子どもたちが嫌うかと言うと、親の本音が見え隠れするからです。
これは、「条件つきの愛情」にもつながりかねません。
「条件つきの愛情」とは、親の希望にそった時には愛してあげるのだけれど、そうでない時は
素っ気ない態度をとるといったものです。
これがあまりにも顕著ですと、子どもは「自分はありのままでは愛してもらえないんだ」と認識し、
たえず親の期待を読み取り、それに懸命に応えようとはかります。
結果、自分を生ききれなくなり、親の人生に取り込まれ、期待に応えられなくなったとき、
自己否定感を強めてしまい、自分を愛せなくなるのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2024年5月21日 06:42
ひきこもり・不登校~親と子は一心同体ではない②
次に、親が子どもに責任を負わせようとする例です。
これは、親が自分の感情や考えや行動に責任を持たず、子どもにその責任を負わせるパターンです。
例えば、子どもの成績や素行のことで、母親が父親に怒られたとします。
これ自体おかしいのですが、怒られた方の母親は面白くありません。
そこで、「あんたがゲームばかりして、しっかり勉強しないからお母さんがお父さんから怒られる
でしょう。イライラさせないで!」
父親が母親を怒るのも怒りを向ける対象を誤っていますが、母親が「イライラさせないで!」
というのも、子どもへの責任転嫁で誤っています。
「お父さんを怒らせるな」とか「お母さんを悩ませないで」と、子どもに言う場面は少なくない
でしょうが、これらは感情に責任をもっていない典型です。
怒りたくなければ、自分が怒らなければいいんです。
悩みたくなければ、自分が悩まなければいいだけです。
感情は、自身が目の前の事実をどう認識したか次第ですので、子どもの責任ではありません。
怒る選択をしたのは親自身です。
イライラしたくなければ、イライラしないような認識(解釈)をすればいいんです。
このように、責任の所在(誰が負うべきか)を明らかにすることは大切です。
如何なることも、それにどう対処するかは自分の責任です。
「あなたのせい」で終わらせていたら、自分の責任を果たせません。
「子どもがやる気を出して動こうとしないから」を、長期化の理由にしている親御さんも多い
ですが、それにどう対処していくかは親の責任です。
黙って見ていれば長期化するのは当たり前です。
長期化は、子どものせいばかりではないということです。
また、逆に責任の肩代わりも子どもにマイナスです。
自分でやれることまで親がしてしまえば、子どもは、これ幸いとばかりに何もしなくなります。
子どもの部屋まで、ルームサービスよろしく食事を運んでいる家庭もありました。
サラリーマンのお父さんでさえもらえないような額のお小遣いを、毎月子どもに与えている家庭も
ありました。
責任を果たすというのは、後始末、後片付けを最後までするということです。
これでは、自分で何も片づけられていません。
無用な責任を負わせれば、無謀な努力を強いたり、挫折感を味わわせたりで、
「こうしたのはオマエらだ!俺の人生返せー!」と叫ばせてしまう結果となります。
(続く)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2024年5月17日 05:48
ひきこもり・不登校~親と子は一心同体ではない①
健全な自己愛が育っていない親は、わが子から愛されたい、守ってほしい(愛の逆流)という
思いから、わが子との「境界」を踏み越えてしまいます。
「境界」というのは、自分が他の人とは別の独立した存在であることを保証するものです。
ですから、それが侵されると双方に様々な不具合が生じてきます。
具体的にあげてみましょう。
親が子どもを仲間のように扱う例です。
これは、友達親子と言うと聞こえはいいですが、年齢に相応しくない情報を子どもに知らせる
ことです。
未成熟な子どもに、大人でないと分からないようなことを相談したりです。
よくあるケースは、母親が娘に夫(父親)や姑への愚痴を聞いてもらうといったようなことです。
あたかも子どもをカウンセラー代わりにしてしまっているのです。
以前にある青年が、「父親が自分を膝にだっこして転職の相談をされたことがあった」と
聞かせてくれたこともありました。この父親は転職が度々あったそうです。
膝にだっこできる年齢ですよ。困惑するのは当たり前ですよね。
こういう状況がありますと、子どもを「親は弱すぎて自分を守れない」と不安がらせます。
当然、自分に悩みがあっても、親には相談しようがありません。
親は、頼れる存在にはないのです。
親は親であって友達という立場の関係性ではありません。
立場をはき違えると、負うべき責任を負わず、子どもに無用な責任負わせることにもなります。
(続く)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2024年5月13日 06:24
ひきこもり・不登校~親から子へ流すはずの愛情が・・・
かねての支援活動の中で、当事者であるお子さんへのアプローチを促した際に、なかなかできない
親御さんもおられます。
嫌な顔をされたり、背を向けられることへの抵抗感からでしょう。気持ちは分かります。
ですが、ここで考えて頂きたいのは、そのためらいがどこから生じているかということです。
「どういうためらいがありますか?」と尋ねますと、よくあるのが「子どもに嫌われたくない」
という答えです。
ここには、親自身の自己愛の問題があります。
親が子どもに愛されたい、子どもに自分を幸せにしてほしいと願う。
これを臨床心理学博士の西尾和美先生は、“愛の逆流”と表現しておられます。
本来愛情は、親から子へ流れるものですよね。
それを親が子から求めようとしてしまうわけです。
背景にあるのが、親自身が健全な自己愛が育っておらず、自身の心の傷を子どもを通して癒そうと
図ったり、叶わなかったことを叶えようとします。
このような状態にあれば、当然わが子から拒否されることは耐え難い苦痛であるわけです。
こうあることで、現状の改善のための促しがなかなかできないでいるのです。
本人は、動き出す(変化を起こす)ことへの強い不安(怯え)がありますので、現状維持を願っています。
そこへ「前へ進もう」という促しをするのですから、抵抗を示すのはあたりまえのことです。
それを受け止めきれないとなれば、一生のひきこもりとなるでしょう。
ましてや、「嫌な思いをさせるのはかわいそう」などと考えていたとしたら、一生ひきこもらせる
ことが優しさなのかを熟考された方がいいでしょう。
親自身の自己愛の問題から、“愛の逆流”が生じている親子の間で、どのような関り方があって
いたのかを具体的に述べてみましょう。
それが実は、ひきこもりを招いたひとつの要因にもなっているのです。
(続く)
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2024年5月10日 06:00
ひきこもり・不登校~子どもはわが家の救援者
私たちの身体は、ホメオスタシス(恒常性維持機能)によって自動調整されていて、生理的バランス
が保たれ健康が保持されています。
家族も同様に、このホメオスタシスが働いています。
具体的なケースとして、子どもたちの日常からの逸脱行動があります。
子どもたちは、不均衡を呈した家族の救援者として、“揺り戻し作用”を担っているのです。
モビールという部屋飾りがありますね。
それぞれの吊り飾りがバランスよく並べられ、全体の均衡が保たれています。
飾りのひとつが落ちただけで、全体が崩れてしまいますね。
それぞれが関わり合っているからです。
家族も同じですね。誰か一人でも不具合が出てくると、家族全体に影響が出てきます。
私たちは欲求があると周囲に要求という形で表わしますが、自覚できない欲求というものもあります。
それは何らかの理由で心の奥にしまい込まれ、充たされていません。
そういった場合、症状として現れます。
胃潰瘍などはその典型です。
不登校やひきこもりといった現象は、家族病理の症状であり、「治療的行動化」と言います。
発熱や嘔吐、下痢は、身体の中の毒を吐き出すための防御反応ですが、子どもたちはつまり、
わが家の病(バランスの乱れ)を無意識に治療しているわけです。
前回の記事もご覧ください。
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https://peraichi.com/landing_pages/view/tarachine
現状に対して、何からどう始めていけばよいのかを研鑽し合う親の学び場です。
【和(やわらぎ)塾】
https://yawaragi-jyuku.hp.peraichi.com
新プロジェクト〈OKAGESAMA fellowship〉開始!
メールマガジンはこちらです。ひきこもりの原因と解決法が分かります!
【ひきこもりは動けないから解決できる!】
https://www.mag2.com/m/0000282169.html
プロの解決実践者の養成講座です。当事者家族も学べます。
【家族援護士養成講座】※現在オンラインで一人からでも受講できます。
https://www.interbrain.co.jp/course/category/family-aid/
不登校・ひきこもり・アダルトチルドレンのメンタルケア
【付設心理教育カウンセリング・オフィス〈ふぉーらむ北辰〉】
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アダルトチルドレンを超えるためのブログはこちらです。
【アダルトチルドレンからの回復】
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ひきこもり期間中 に喪失した自律性や社会性を回復していきます。
【生活機能回復訓練 生活道場】
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【毎週月曜日無料相談会】【毎週火曜日若者おしごと相談室】
大野城市総合福祉センター 午前10時~正午 (要予約 0120-870-996 )
詳細は https://www.interbrain.co.jp/counseling/
引きこもり・不登校・発達障害の相談解決
NPO法人地球家族エコロジー協会
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2024年5月 1日 06:42
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