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福祉: 2011年7月
アダルトチルドレンへの処方箋~自身の欲求
前回のブログで、バウンダリー(境界線)に関してお話ししました。
自身の欲求と他者の欲求を勘違いしてしまいますと、虚無感から様々なアディク
ション(依存)を招いてしまいます。
今回は、自他の欲求の見極めの方法を簡単にお話ししてみましょう。
先ず、自分が欲しいものや、やりたいことを思い浮かべてください。
それに対して、「何のためにそれが欲しいのか」を問うていくのです。
つまり、それを得たい理由、目的です。
他でもない、そのもの、そのことを得なければならない理由、目的があるはずです。
それを自分に問いかけるのです。
例えば、車が欲しいとします。
「何のため?」の答えを考えてみてください。
「友達と遊びに行ける」だとしたら。
同じように「何のため?」と、友達と遊びたい理由を問うてみるのです。
「遠慮なく交流しあえる相手がほしい」だとしたら、はい、また同じように
「何のために?」
「何でも相談したい」
「何のため?」
「自分だけの考えでは不安だから」
はい、ここで見えてきたことは、「安心を得たい」ということですね。
いつでも、方針に迷ったりした時に、客観的な助言が欲しい。
そういった友がいてくれる。一人ではないという安心感を得たいということです。
「車」が欲しいといったところから、より本質的な自分の欲求が確認できましたね。
ですから、そういう友がいれば、車は無くてもいいということです。
逆に、車を手にいれることができたとしても、そういう友が得られなければ、何か
満たされない思いが続きます。
友達に気に入られんがために、自分は欲しくも無い友達の望むゲームを買い続け
るようなものです。
また、ボランティアなどの奉仕活動をやりたいといった場合。
同じように、「何のため?」かを問うてみてください。
特に「自分を犠牲にしてでも」といった献身的な動機からの場合、よくよくその目的
を考えてみてください。
「喜んでもらいたい」
「感謝されたい」
「必要とされたい」
「求められたい」
「一人になりたくない」
根源的なところに、見捨てられ不安からくる孤独感があれば、手段を選ばず、
人から求められよう、気に入られようとしてしまいます。
他者が喜んでくれているその行為自体を、自分も喜べるものでなければ、やがて
燃え尽き、倒れます。
充実感や達成感を得られないからです。
このように、自身の欲求と思っていたことが、実際は他者の欲求を満足させること
になっていたということや、欲していたものは単なる手段に過ぎず、本質的な求め
は他にあったということは、よくあることです。
こういったすり替え充足や手段の目的化が、延々と繰り返される満たされぬ欲求
への貪りの苦悩を招いてしまうのです。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年7月30日 11:01
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