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HOME > アダルトチルドレンからの回復~私は私でありたい : 旧ブログ > アーカイブ > 家族問題 > 6ページ目

アダルトチルドレンからの回復
~私は私でありたい : 旧ブログ
家族問題 6ページ目

アダルトチルドレンの処方箋~ありたい姿⑤

ACの状態にある人たちは、自分の存在に確信を得られずに育っています。

ありのままの自分を承認されることが少なかった彼らは、自己の内部に自分を

評価する基準を持ちえず、自律的な行動が取れなくなってしまっています

 

 

そのため他者評価に過剰に依存し、周囲から承認されているかどうかが、

自己存在価値の自覚の唯一の手がかりとなっています。

 

 

ですから、他者との衝突を極力避けるために、自分を主張しようとしません。

何らかの意思表示をし、それが他者に受け入れられないのが怖いからです。

 

 

また、自己主張ができないでいるのは、そもそも自分の判断、決定に自信が

ないといった理由もあります。

 

 

先に述べたように、自分の内部に判断基準を持ちあわせていないために、主張

する内容が適切であるのかの判断にも迷い、また、相手から拒否された場合に、

自分を支えきれないのです。

 

 

彼らは、独自な存在である“”としての自分に確信をもてないので、周囲との

関係性によりすがろうとします

そうすると、常に他者の目(評価)に過剰になり、

嫌われていないだろうか

変に思われていないだろうか

笑われていないだろうか

というように、絶えず怯え、周囲とは異なる自分なりの意見も出さなくなります。

好まぬ要求がきても、「NO」も言えないのです。

 

 

最近の若者たちは、「ムカつく」という言葉をよく使いますが、教育学者の

斎藤孝氏は、「ムカつくは、基本的にその当人や事物に怒りを向けられ

なかった時、その後に使う言葉」だと述べています。

 

 

つまり、相手に対して、適正な意思表示をできないでいるのです。

「伝えて反感かうくらいなら、言わないでいよう」という具合です。

傷つけたくもないし、傷つきたくもないからです。

 

 

私がかねて彼らに接していても感じるのは、意見の食い違いが、即、争い、

傷つけあいになると思い込んでいるふしがあります。

こういった思い込みの背景には、幼い頃から家庭内で、両親間の口争いを頻繁に

見せつけられていたといったことも少なくありません。

 

 

こうなると、到底集団生活は困難なものとなります。

それまでの交友関係の範囲でしか人と関われなくなり、就職などを機に、新たな

人間関係を構築していかなければならない場面で、立ち止まってしまうのです。

やがて、既存の友人との交流さえも避けるようになり、家族という血縁関係の中

だけでしか、自分の存在を確認できなくなり、ひきこもったりもするのです。

 

 

先ほどの「ムカつく」とあわせ「キモイ」といった言葉もよく聞かれますが、これらは、

いずれも喜怒哀楽といった感情的なものというより、快、不快の感覚的な表現

です。

あくまでも自分自身の内側から発する個人的な感覚です。

 

 

今の若者たちには、他者と自分との比較の中で、違いを認識し、独自性を自覚

していく視点が不足しているように感じます。

違いそのものを否定的に見ている傾向もあります。

「一緒でないといけない」といったように。

 

 

このあたりに関しては、親や大人たちがそうした認識を植えつけているようでも

あります。

教育の現場でも、個性の尊重と言いながら、実際やっていることは、横並び、

同列化です。

 

 

ご紹介してきている人間主義心理学のマズローは、自己実現している人は、

躊躇することなく孤高を保つことができると述べています。

他人が自己と見解の一致が見られるか否かを問わず、自身が能動的で責任ある

自己決断の主体であるがゆえに、相手の人格を尊重でき、他人があえて自分の

考えに同調したり賛成したりすることを求めないし、同様に自分が不本意に他人

に同調することもしない

 

 

このようになるためには、持続性や安定性に欠けた感覚的なものをよりどころと

するのではなく、社会的な関わりあいの中での客観性をもった自己認識が必要

です。

 

 

一貫性をもったアイデンティティが未構築であるACの人たちは、強迫的に群れ

ようとするあまり、ちよっとした否定、反発にも過敏になり、自分が疎外されたと

思い込み、立ちすくみ、閉じこもってしまうのです。

 

 

こうした背景にあるものが、アタッチメント・トラウマ(愛着欲求の欠乏)であり、

承認欲求の渇望は、人格の統合性を妨げ、集団の中での立ちいち、居場所を

得られなくしてしまうのです

ですから、ACの人たちがあたかも人との関わりを避けているように見えるのは、

なにも孤独を好んでいるのではなく、孤独を過度に恐れた結果、孤立してしまった

というわけです。

 

 

 

 

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アダルトチルドレンの処方箋~ありたい姿③

今回は、自発性、主体性についてお話ししましょう。

私がアダルトチルドレンの方々と関わってきて、一番実感するのが、自発性

主体性が損なわれているということです。

自分自身の内面を表現することへのためらいや、怯えを一様に抱えています。

 

 

このことは、長きわたって感情や欲求を抑圧してきたことを示しています。

感情や欲求を表出することは、傷つくことであり、危険だと判断しているからです。

 

 

したがって、慢性的な不全感を抱え、ものごとの受け止め方や考え方に柔軟性

ありません。

そのことから怒りの感情が生じた時にも、健全な表明ができず、うっ積させ、破壊

衝動や暴力行為に及んだりします。

 

 

マズローは、自発性の高い人間は、『愛し愛される能力』に優れていると、特徴

をこう述べています。

 

 

自他を隔てる壁が比較的薄く、自己の感情はすぐ他人に浸透し、また

他人の感情は容易に感じ取ることができ、互いに共感をもつことができる。

つまり、他人と同一化し、共通の感情に生きることが可能なのである。

このような分け隔てのない人格特性は、周囲の人々にも温かい感情を感じ

させる」と。

 

 

愛し愛される能力』が充分でないと、人から遠ざかり、また、いじめなどの対象に

なってしまう場合もあります。

では、この自発性が発揮できないのがなぜかと言いますと、健全なアイデンティ

ティの未構築ということに関わってくるのです。

アイデンティティは、自己が自己であり得るということですから、他でもない自分

らしさの自覚です。

 

 

自他を区別できる自己の特性を認識できていれば、自ずと自然に沸き起こる感情

も表出できますし、意思表示や態度、行動で明確に自分を表現できます。

これが自発性です。

 

 

ここで、自発性に関連して、対人交渉の際に出てくる“譲れる”“譲れない”の

問題について論じてみましょう。

 

 

他者と協調性を保ちながら、自身の要求を実現させていくためには、相手と自分

との意見、希望の違いの間で、折り合いをつけていかなければなりません。

その時に、どこまで妥協し、譲るか、譲らないかが問題となります。

 

 

自発性の高い人間は、譲れない範囲は、自身の存在の根幹に関わるほどの大事

に限られ、非常に小さく、譲れる範囲をできるだけ大きくもち、「大事のために小事

を譲る」という姿勢ができています

 

 

大事に関しては、決して妥協することなく、社会環境の慣習的なものに対しても

挑戦する態度を示します。

自身の中に、アイデンティティを支える自己規範をもっているからです

周囲の評価に惑わされないのです。

 

 

一方、自発性が低い人間は、譲れないものまで意思表示を避け、結果譲ってしまう

といった状態を招いてしまいます。

 

 

周囲の評価に対して過敏であり「きらわれたくない」という理由で、安易に自分の

意志を押し留めます

もちろん、満足感は常に得られず、「させられた」という被害者意識が強まります。

これは、主体性の放棄という状態です。

 

 

それでは次に、主体性に関して述べてみましょう。

「主体的に生きよう。行動しよう」というような表現がされることがありますが、

“主体的に”というのは、具体的にどのような状態でしょうか。

 

 

主体性を考える時というのは、必ず自分以外の他との関わりあいの中でのことです

から、「他」というものを人を含めて「環境」と捉えてみると分かりやすくなりますの

で、環境との関係性から主体性を定義しますと、

 

 

1.環境に振り回されず、流されず、支配されないこと。

2.環境に対して常に働きかけ、創り変えていくこと。

と定義できます。

 

 

マズローは、自己実現しつつある人は、自律的で環境から独立していて、次のよう

な行動特徴をもたらすと述べています。

 

 

第一に、厳しい逆境や欲求不満に対しても、これに耐えることのできる能力

をもっている。

 

第二に、名声、名誉、権威、地位などといった社会的評価に依存しない。

 

第三に、建設的な社会批判の態度を持っている。環境に対して、主体的

創造されるべき対象と認識している。

 

 

いかがでしょうか。

皆さんも主体性を、かねてから発揮できておられるでしょうか?

 

 

先にも述べましたように、内的規範、指標をもてている場合は、社会的評価などの

外的評価に依存することはなくなります。

日本特有の「世間体」も外的評価です。

 

 

自発性や主体性に欠けた状態では、常に被害者意識に支配され、責任転嫁し、

周囲に依存的になるばかりではなく、非難や愚痴が多くなります

 

 

これらのことが、ストレス(逆境)に対しての脆弱性も招き、止まるという行動を選択

するのです。

目の前の問題を解決するための取り組みにも積極的になれず、不安や痛みからの

回避だけに終始してしまう反応的な生き方になってしまうのです。

 

 

 

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アダルトチルドレンの処方箋~ありたい姿①

アダルトチルドレンからの回復といった場合、とかく家族トラウマのケアが焦点と

なりがちですが、どこへ向かうか、具体的な将来像、ありたい姿が不明瞭なまま

の場合が多いようです。

 

 

トラウマが解消され、生き辛さが軽減されて「良し」ではなく、人生を活き活きと、

生きがいをもって生きている人たちは、どのような姿勢で生きているのか。

そこに近づけていくことを試みては如何でしょうか。

 

 

その理想像を考えるヒントを与えてくれるものに、人間主義心理学のマズロー

理論があります。

マズローは、「人間は価値が内在するものであり、人間性のもつ何ものにも

替えがたい尊厳さ」に光をあてた独自の理論を提唱しました。

その中で、マズローは、生きがいをもって生きる自己実現的人間の特性をいくつ

かにまとめています。

そこから“ありたい姿”を考察してみましょう。

 

 

現実を正しく見、これと快適につきあってゆくことができる

これは、事実に即した理解です。

 

 

アダルトチルドレンの多くは、目の前の事実に対して、客観性が不足し、主観的

なとらえ方に囚われ、自身の歪んだ憶測により、不安や恐怖を抱えています

したがって、結果に対して何らの確証も得られないこれから未来(未知)のこと

に関しては、なおさら強い不安感や脅威を感じ、挑戦することを過度に避けます

 

 

これに対し、自己実現欲求が満たされている人間は、未知なるものに対して、

豊かな感受性から、逆に好奇心をもって、探求していこうとするのです。

 

 

自己信頼感の高さから、外部からの肯定的刺激に対してのみならず、否定的

刺激に対しても、主体的な意志により適確な“対応”が取れるのです。

 

 

家族トラウマの影響を受けている場合は、外部からの刺激に対しては、過去の

トラウマなどから、身体は反射的に、心は反応的にしかできなくなってしまって

います

ですから、何度も同じ否定的(自己破壊的)行動を繰り返してしまうのです。

 

 

現実に対し、印象や憶測で判断することなく、客観的に事実を正確に把握し、

適切な評価を与え、自発的、能動的、主体的に対応していくことが、常に現状

と快適につきあっていける姿勢・態度なのです

 

 

 

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アダルトチルドレンの処方箋~抑圧の果て

生命は、欲求とも言えます。

生命は欲求を抱き、それを充たしていくことで、維持していこうとします。

 

 

私たちの心は、その欲求の充足具合に基づき、様ざまな感情が表出します。

もし、この欲求そのものや、それに伴う感情の表出が、何ものかに妨げられることが

あると、私たちは、それらを意識下へ抑圧してしまいます。

 

 

例えば、自分が欲するものが、親にとっては不都合なものであったりすれば、それを

親は拒絶するでしょうし、笑い声や、泣き声を煩わしく感じる親であれば、

「うるさいっ!」と恫喝するでしょう。

 

 

欲求や感情の表出が、傷つき(痛み)を伴うものであれば、私たちはそれを回避しよう

とします

結果、意識下にしまいこんでしまう(抑圧)のです。

意識に上らせておけないのです。

辛いから。

 

 

しかし、抑圧されたものは、意識から外されたというだけで、消えて無くなったわけ

ではありません。

やがて、腐敗し、悪臭を放ち、その臭気は、人格の雰囲気を作り出し、意識下から、

私たちの行動、生き方にまで手を回してきます

感情や行動は、制御不能状態となり、望まぬ結果を招いてしまいます。

 

 

また、現実の否認は、シャドーを生みます。

愛されなかったという思い込みや、親を恨んでしまう自分を受け入れられず、同じよう

に裏(影)へ隠してしまいます。

 

 

表面をとりつくろうペルソナ(仮面)と、シャドー(影)、そして、コンプレックス(思い込

み)はセットです。

 

 

シャドーコンプレックスを腐敗させないためには、否認せず受容することです。

そして、さらに昇華(質の転換)させていくのです。

 

 

意識下に抑圧されたものが多ければ多いほど、行動は反射的になり、心は反応的

で、あたかも催眠術にかかったように条件づけられ、生き辛くなってしまいます。

私たちは、様ざまな状況に対して、主体的に対応できることで、自分らしく生きていく

ことができるのです。

そのためにも、楽観的な生き方を心がけてみましょう。

こちらもどうぞ。

 

 

 

 


アダルトチルドレンの処方箋~変化への対応

諸行無常」という言葉がありますが、世の中はものは、常に移ろい変化している

ものです。

であるならば、その変化にどう対応、適応できるかが、生きやすさに関係します

 

 

アダルトチルドレンの問題のひとつは、過ぎ去った過去の痛みが現在に影響を与えた

ままということでしょうか。

つまり、自分の中では、時の経過(変化)が止まってしまい、今ここで起こっているかの

ような傷みを味わっているということです。

あたかも瞬間冷却によって、閉じ込められた生々しい痛みが、解凍されたかのように。

 

 

アダルトチルドレンの悲哀は、得られぬ親からの承認を過去に戻って得ようとしてしま

うことです

過去に戻るということは、時の経過という変化を認めないことでもあります。

 

 

変化を認めなければ、苦悩が固定化されます。

大切なことは、変化を自覚し、どう対処するかです。

 

 

「戻らなければ変われない」

「苦悩が消えない」

と思い込んでいませんか?

だから、戻れない現実に直面できなくなるのです。

 

 

時を戻さずとも(はなから戻りません)、親からの適切な承認を得られなかったことから

の、痛みを伴った影響を変えていけばいいのです。

 

 

影響を変えるためには、痛みを招いたそのことの意味合い、解釈を変えていきます

それには、価値観の転換が必要です。

つまり、自己変革が求められるのです。

親や状況の変化を期待するのではなく、自分を変化させていくのです。

 

 

価値観の転換は、重点の置き方を変えることです。

例えば、親を相手にせず社会を相手にしてみてください

 

 

親は、自分(わが子)の価値を適切に見分けられる、資質、力量があるわけではあり

ません

骨董品の価値が分からない人にとっては、歴史的、文化的価値があるものでもただの

ガラクタです。

 

 

人は、自分の個性を社会の中で、活かし、役立たせられることで喜びを得られます。

多くの人から求められ、愛されることで幸せを感じます。

また、人を愛し、その人のために、その人に喜んでもらいたいために頑張ります。

ですから、親に認めてほしくても、その期待に応えられるだけの見識眼がない親だと

見極めればいいんです。

親は決して、全知全能の神ではないのですから。

 

 

社会が承認してくれればいい。

そういう意味で社会に重点を置く

 

 

親から、満足できるほどの充分な愛情がなかったとしても、それもまた、自分が期待

している愛情の中身を見直してみることとあわせて、親自身の生い立ちの中に、人を

適切に愛せない背景があることを了解してあげましょう

全知全能の神でない以上、親もまたトラウマを抱えているのですから。

 

 

親の承認を必要としなくなった時、自分の人生を手元に取り戻すことが出来るのです。

 

 

 

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トラウマとコンプレックス

成人してからの生き辛さに影響を与えるものが、過去のトラウマであることはよく

論じられるところですが、もちろん生き辛さを招くものはそれだけではありません。




その他にコンプレックスシャドーの影響といったものもあります。




コンプレックスについて最初にお話ししましょう。

コンプレックスとは、一般的に使われる場合「劣等感」という意味合いで使用され

ますが、ユング心理学でいうところのコンプレックスは、無意識の中の過度なこだ

わり思い込み誤った信念といったものを指すものです。




誰しも大なり小なり自分独自のこだわりをもっているかと思います。

ともすると、そのこだわりが自分らしさと勘違いしてしまっている向きもありますが、

生き辛さを招くような自分らしさであれば、とっとと捨てましょう。




こだわりの多くは、人生早期に家庭内(親から)で刷り込まれたものが少なくあり

ません

ある判断をする時に、どうしても決まってそうしてしまう事があるのです。




「おまえは3日と続かないなぁ」など言葉で刷り込まれたものもあれば、父親に

何でも判断を仰がなければならないし、口答えするものではないと状況から刷り

込まれた場合もあります。

親の期待に充分に応えられなかった場合の親の落胆ぶりが顕著ですと、ありの

ままでは愛してもらえない存在なんだと、自分の価値をおとしめてしまうことも

あります。




こういったことがあると、自分をどうしても肯定的に受け止められない、自虐的、

自滅的なこだわり、コンプレックスを抱えてしまいます

コンプレックスは、意識下から常に当人に影響を及ぼし、理性での制御もきかなく

なるのです




このコンプレックスを外していくためには、その出処を探り、誤りであったことを自覚

し、新たな自己像を構築していくことが必要です。




次回は、コンプレックスとも深く関連するシャドーについて述べてみましょう。




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人たる所以

人が人たる所以は何かを考えた時、それは意味への意志をもっているということ

ではないかと思います。



私たちは、自分自身の周りのものに自分なりの意味づけをして、そこから様ざまな

ことを読み取っていきます。

その内容次第で、ある時は傷つき、ある時は歓喜します。



反射的な反応行動を取る動物たちは、本能のプログラムによって行動しますので、

同じ状況に対しても、どの個体もほぼ同じ行動を取ります。

ですが、私たち人は、一輪の花を見てもそれぞれ違う行動を取ります。

この意味づけをつかさどるのが、人のもつ“霊性”です。



ひきこもりという現象を見た時に多くの人が、「頭がおかしくなったんじゃない

か?」と思いがちですが、ほとんどの青年たちは、自分が誰かも言えますし、どこ

に居るのかも把握できています。

計算も出来ますし、語学ができる子、パソコンを巧みに操れる子もいます。

つまり、精神性には問題、ましてや障害などありません。

問題があるのは、霊性の部分です



自分は何ものからも求められぬ、価値のない生き物、モノ以下といった絶望的な

意味づけしかできない状態になってしまっています



アイデンティティ(存在意義=存在の必要性としての意味)の構築の際に、親から

善悪による規制を受けてしまっているために、悪しき行いをした自分は、価値の

ない存在だという思い込みのブロックがかかってしまっているのです。



とかく親の言うところの善悪は、自分の都合に合わせ、都合いいことは善、悪い

ことは悪としてしまいがちです。



子どもは、親の期待(都合)に応えられなければ「自分はいい子ではなく、価値が

ない」と思い込みます。

ここから、誤った不健全なアイデンティティを構築してしまうのです。



健全なアイデンティティを構築するためには、善悪ではなく、楽しい、うれしい、

面白いを基準に考えてみましょう。

つまり、自分が心から喜べるもの。そのことが自分のアイデンティティ(役割)を

構築するためのヒントになるのです。



笑顔で喜べるものこそ、自分にとって意味あるものだからです。




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命とはたらき、宿命と運命

 アダルトチルドレンを考える時、親、そしてその家(系)との関わり合いが、避け

られぬ問題です。



生命は、空間に生ずるのではなく、ある家に生まれ落ちます。



人種や性別、裕福な家庭なのか貧乏な家庭なのか、何番目として生まれたのか、

どういう土地、生活環境なのか。



これらは、動かせない条件です。

これが宿命と言われるものです。

まさにそこ(〇〇家)へ宿る。



ここを嘆いても仕方のないことです。

ただし、お金持ちの家に生まれることはできなかったにしても、お金持ちになって

いくことは可能です。

これが運命です。

命を運んでいく。



アダルトチルドレンは、親から与えられた悪影響により、生き辛さを感じながら

生きています。

そのことにより、親への怒りをコントロールできずに、もがいているACの方も多い

でしょう。



こう考えてみては如何でしょうか?

親から与えられたものとして、生命があります。

この生命をどう運ぶか、働かせるかは、自分次第です。



「思うように働かせることも親の影響でできなくなっている」と返ってきそうですが、

そうでしょうか?

人生の初発の条件設定を解除し、訂正すればいいんです。



人生の初発の条件設定とは?

あなたは期待に応えられなかった子どもだから、愛されず、誰からも必要とされ

ない人間です

という前提です。



罪悪感や恥辱感を抱きながら、自分を否定して生きていくように条件づけられて

います

そして誤ったアイデンティティ(存在の意味)を信じ込まされています。

そのアイデンティティの根拠を手放せずにいます。



「失敗ばかりで、結果を出せなかった」

「期待を裏切ってばかりだった」

「心配や迷惑のかけ通しだった」

「困らせ、恥をかかせてばかり」

等など。



そもそもの条件設定、前提が誤っているばかりに、偽りのアイデンティティを信じ

込み、その根拠をかき集めていたのです。



条件設定を訂正しましょう。

私は、他でもない私ならではの価値を有している、ありのままを許された、

かけがえのない必要とされる存在だ



この前提に立って、真のアイデンティティ(存在意義)を構築していくための、命の

はたらかせ方を工夫していくことで、立命していきましょう。

生命はエネルギーです。

エネルギーをどう活かすかは、主体者である自分です。




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なんとなく

皆さんは、かねての生活の中で、なんとなくそう感じるというものはないでしょうか。

さしたる理由があるわけではないのですが、いつも決まってそう感じるものです。



これが「なんとなく出来るような気がする」「うまくいくような気がする」といった

ポジティブなものであればいいのですが、「なんとなくまたうまくいかないような

気がする」とか、「間違っているような気がする」といったネガティブなものですと、

生活の場でなにかと不都合が生じますので、そのままにはしておけません。



これらの思いは、無意識に刷り込まれたものであることがほとんどですので、

きちっと、その根拠を探りあげた方がよいのです



例えば、失敗が許されないような環境がなかったでしょうか。

何かの失敗をするたびに、責任を追及されたり、または、嘲笑されたりすれば、

失敗への過度な怖れが身についてしまいます。



それに加え、「なにをやらせてもダメな子ねぇ」なんて言葉をあびせられようもん

なら、居てはいけない子ぐらいに自分を認識してしまいます。



失敗をすれば居場所がなくなると思えば、いかなる挑戦も避けようとします

結果、変化を拒む生き方になってしまいます。

失敗はしない代わりに、何一つ達成感も味わえない、自堕落な生き方です。



ありのままでいられる環境があったでしょうか。

感情や欲求を表すことが自然に受け入れられたでしょうか。

自分の意見を出すことが、柔順でない聞き分けのよくない子だと決めつけられ

ませんでしたか。



自分に歯向かわれることへの抵抗力がない親の場合、反抗する子を「悪い子

と表現します。

子どもの価値観を包み込めるほどの余裕がないのです。

自身の価値観が揺らいでしまいかねないからです。



ありのままを許されなかった場合、感じること、欲求を自覚することが出来なくなり、

他人の欲求を自身のものと錯覚し、他人の人生でしか生きられなくなります



家庭の中で慢性的な緊張感はありませんでしたか。

例えば、父親が仕事から帰って来るなり、神経質に部屋の隅々まで目をやり、

片付けられていないことの文句を言ったり、食事中に説教が始まったり、両親間

や祖父母たちとの人間関係で、固定された緊張状態がなかったでしょうか。



抑圧する側とされる側、挑発する側とされる側。

閉ざされた狭い空間の中の人間関係からくる緊張の空気は、そこにいる住人

特に子どもたちを窒息させます



呼吸不全の家庭で育った子どもたちは、社会の中の人間関係に家族を投影し、

健全な距離感を計れず、自分の立ち位置を見い出せず、パターン化された関わり

合いから脱することも出来ずに過ごします



これらのことが、意識下に染み込み、特定の行動の反復を誘発します。

これが「なんとなく」のメカニズムです。




『ニート・ひきこもりエンパワー教室』
https://www.interbrain.co.jp/course/empowerment/

 

AC(アダルトチルドレン)、次世代AC(ACに育てられた子どもたち)の回復援助活動の中
から開発された自己創造技法 『自心観』ゼミナール
https://www.interbrain.co.jp/adultc/

 

NPO法人地球家族エコロジー協会付設心理教育カウンセリング・オフィス
ふぉーらむ北辰
福岡県大野城市つつじヶ丘6-4-21
https://www.interbrain.co.jp/hokushin/


親との対峙

両親との関わりの中で受けたダメージにより、生き辛さを感じているACの最大

の課題は、その親を許すことができるかということでしょう。



親との新たな関係を築き上げるためには、何を与えてもらえなかったのか

何をさせられたのかを振り返ることが必要です。

ただし、ここで誤ってしまいがちなことが、親への責任追及です。

ここでの目的は、断罪ではなく、あくまでも受けた影響を客観的に把握するという

ことです。



影響により、今の自分が何ができなくなってしまっているのか

何を恐れてしまうのか

何をしでかしてしまうのか

を自覚することです。



なぜなら、受けた影響を軽減していくことが目的だからです。

親の責任を追及したところで、影響が消えるわけではありません。

もちろん、親自身がその責任に対して、謝罪などの充分な償いを自ら行ってくれ

ればその意義はありますが、多くはそれを期待できません。



誰がそうした」となると、怒りや恨みの感情が自然わきおこります。

誰が」ではなく、「どういう背景(環境、条件)があって、そうなったか」と考えて

ください。



夫婦喧嘩の絶えない家庭だった。

母親を殴る父親のいる家庭だった。

何事にも干渉してくる母親のいる家庭だった。

意思表示をすることを許さない父親のいる家庭だった。

病弱な母親のいる家庭だった。

など、自分が育ってきた背景を見てみるのです。



そこから受けた影響で、過剰に安寧や周囲からの承認を求めようとするあまり、

自分を出さず、周囲におもねる生き方を選択してしまい、依存的になってしまった

など、今に与える強制力を確認するのです。

それにより、自身のとる行動の意味を知ることができ、修正、改善がはかられます



とは言っても、「それさえなければ・・・」と悔やみたくなるのが人情です。

と同時にやはり親に対しての怒りや恨みがわいてしまいがちです。



こう考えてみてください。

子ども産む喜びを得られるためには、女性として生まれる必要があります。

歌舞伎役者として幼いころから舞台をふむためには、歌舞伎役者の親をもたな

ければなりません。

親に早くに死に別れたことで、医者を志した人もいるでしょう。



自分の命の目的の中に、「何かを学ぶため」というものがあるとしたなら、

女性として生まれた。

歌舞伎役者の親をもった。

親が早くに亡くなった。

というものは、すべてそのための必要条件です。



であれば、親のありようを含めた、自身の生い立ちの背景が何を学ぶための

必要条件かと考えてみるのです

そこに必ず発見があります。

とことん考えてみてください。

そこに見いだされたものが、これからの自分の生き方に豊かさを与えてくれる

ヒントになり、新たな親との関係を構築することにもつながるのですから。




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AC(アダルトチルドレン)、次世代AC(ACに育てられた子どもたち)の回復援助活動の中
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