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カウンセリング: 2011年10月
アダルトチルドレンへの処方箋~態度価値
実存分析の「三つの価値の領域」の最後の態度価値について述べてみましょう。
これは、宿命・運命に対して、どのような姿勢・態度で臨むかによって実現されて
いく価値のことです。
私たちは、ある日、ある場所で、肉体的な条件、性格や資質といった条件、健康
や人種、家系といった条件を備えて生まれてきます。
これが宿命です。
また、それからの人生で様々な出来事に遭遇します。
それが運命です。
これら動かしがたい宿命・運命をどう引き受け、自らの人生を自分らしく創造して
いくかに、まさに自身の真価が現れるのです。
過去に向き合う態度と、未来に臨む姿勢が実現していく価値がこの態度価値
です。
「なんでこんな親(家)の子として生まれたのかなぁ・・・」と嘆いてみても、何も
変わるわけではありません。
だったら、「自分がこの親を選んで生まれてきた」と仮定してみたら
如何でしょう?
選んだということは、目的があったということです。
その目的を考えてみるのです。
痛みを経験したのであれば、その痛みが自分に与えた意味、自分にとってなぜ
必要だったかを考えてみてください。
痛みは、成長のためのサインです。
気づきを得られることが多いからです。
「痛い目にあわないと」と申すでしょう。
意味は自らが見い出すものです。そこに付与するものです。
私たちは、意味を感じることで意欲が喚起させられます。
逆に意味を失うことで、絶望します。
生きていく意欲を鼓舞するために、自分の存在、人生(宿命・運命)に意味を見い
出すのです。
意味の創造です。
これは、一つ目の創造価値でもあります。
「命」は「みこと」とも読みます。
「みこと」は「御言」です。
天からの御命令。
つまり、役目(目的)を任されて生まれてきているのが「命」なのです。
そう仮定すればいいんです。それが価値の創造です。
存在には意味、目的がある。
これが自然の法則だということです。
トラウマ研究で、注目されるある結果があります。
ベトナム戦争で、30~50日間の戦闘体験下でPTSD(心的外傷後ストレス障害)を
発症しない個体の特徴として、
第一に、積極的対処能力
第二に、高い社会性
第三に、内的倫理性
があげられています。
つまりこれは、自らの運命に直面化し、強引にでもその意味を見い出し、孤立
せず、他者と共同で目的に向かって戦い、他者をも守るなど妥協せぬ高い倫理性
を持ち続ける者、言い換えれば、人である誇りを泥沼の戦闘の中で失わない
人間ということです。
いかがですか?
人である誇りというのは、人としての尊厳性に対しての誇りであると思います。
では、人としての尊厳性とは何でしょう?
それは、様々な価値観をもって、あらゆることに意味を見い出すことのできる
独自性ではないでしょうか。
このような態度で自身の宿命・運命に臨む時、ありのままの自分が活かされ、自分
らしい豊かな生き方ができるようになるのです。
実存分析の「三つの価値の領域」を3回に渡って述べてみました。
これらを頼りに、否定的な自己認識の修正をはかられてみてください。
第一回 創造価値
第二回 体験価値
第三回 態度価値
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2011年10月 8日 09:23
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