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カウンセリング: 2010年11月
自分探しの盲点
価値観の多様化した時代は、あらゆる分野で選択肢が増加していることでもあります。
携帯電話でも分かりますが、色、機能、形態さまざまです。
選択肢が増えれば、迷うことが自ずと増えます。
職種、結婚も基本自由選択です。
ですが、自由であるがゆえに求められるのは、選択、判断基準です。
ここにおいて軸となる「自分」というものが必要となります。
現代は、自己喪失の時代とも言えるでしょう。
三万人を超える自殺者、詐欺の横行、依存症の増加、いじめ、幼児虐待、DV、ひきこもり
など、どれも自分を見失ってしまった果ての状況です。
そんな中で、「自分探し」といったものがよく聞かれますが、やや向かう方向を誤ってしま
っているようでもあります。
どこか知らないところに「本当の自分」というものがいて、その自分を探し出すといったニュ
アンスのものや、その反対に自分のやりたいことが分からないから何もできないといった
全く後ろ向きなものまで見受けられます。
いずれも、いつまでも自分を探し当てることは、叶わないでしょう。
自分のやりたいこと、欲しいものが分からないというのは、あまりにも生きることに対して、
不真面目過ぎます。
「意欲」というものは、五官で感受したものが、美しいとかすばらしいとか、価値づけられ、
我がものにしたいと欲することです。
ですから、五官を通して様ざまなものに触れる必要があります。
「分からないから何もできない」では、いつまで経っても意欲は出ません。
心を揺さぶり、情感を刺激しなければなりません。
あなたは、これまでに感情を表出することを抑えられてきたのかも知れません。
感じることが危険である環境にいたのかも知れません。
だとしたら、安全な環境を確保し、紅葉で山が赤や黄色と色とりどりになっていると
いった感覚だけでなく、「なんと美しいのでしょう」といった感情を呼び覚ますのです。
料理を食べても「甘かった。辛かった」ではなく、「なんとすばらしい至極の味なので
しょう」と。
また、何かを見たり、体験した時に「楽しい!」とか、「嬉しい!」というそういった感情
を感じ取るのです。
長きに渡ってあなたは、感情を忘れ、感覚だけに頼って生きてきたかも知れません。
それは、センサーと同じで、単なる反応的な生き方しかできません。
自分探しは、外に求めるのではなく、自分の内側を充実させるのです。
既に身に備えているものがあります。
これまでの人生で、どういう環境にいたか。どういう経験、体験をしたか。
褒めれたことは何か。得意なことは何か。
身につけたスキルは何か。
言われて嬉しかったこと。してもらって嬉しかったこと。
やっていて楽しかったこと。熱中したこと。
どんな人との出会いがあったか。
影響を受けたことは。
こういったことを振り返り、今あるものをさらに磨いていくんです。
「好きこそものの上手なれ」で、楽しい、嬉しい、すばらしい、素敵だ、美しいと感じられ
る方向の体験、経験をさらに加えていくのです。
それでも何をやってよいのか戸惑う場合は、じっとしていないで、人の役に立つことを
始めてみてください。
様ざまな形で人の役にたっていき、何を周囲から期待されたいかを感じ取っていくの
です。
どんな期待に応えている自分が、ありのままの自分でいられるのかに気づいた時、
本当の自分に出会えます。
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(NPO法人 地球家族エコロジー協会) 2010年11月18日 17:49
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