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アダルトチルドレンからの回復
~私は私でありたい : 旧ブログ
人生: 2010年3月

助けられ上手

誰しも、自分の弱さを認めがたいものです。

自分に対しては、大丈夫だと思い込もうとしてしまうがために、現実から目をそらし

がちとなり、他者に弱みを見透かされそうになると虚勢をはり、攻撃的、威圧的に

なりがちです。

いずれも、事態をさらに混乱させます。



弱さを克服し強くなりたいと願うあまり、腕力をつけて喧嘩に強くなろうとする人も

います。

よく、スポーツや武道で精神力を養おうとしますね。



これらの方法で養われる強さは、どちらかというと耐え忍ぶ力、我慢する力です。

忍耐力も必要ではありますが、心の柔軟性による強さこそ養うことが大切です。



釣竿は、柔軟性があるからこそ、大きな魚を釣り上げても折れないですみます。

真っ直ぐ伸びた棒であれば、ぽっきり折れてしまいます。



心の柔軟性を養うということは、何を柔軟にしていくかというと、物事のとらえ方、

受け止め方です

多様な視点をそなえるということです。

多角度から物事を観察できる、眼を養うことです。



そのためには、乾いたスポンジのような吸収力が必要です。

たっぷり水の入ったコップには、もうそれ以上水を注ぐことは出来ません。

新しい水を注ぎ込むためには、コップをからっぽ(虚)にしなければなりません。



自分に力がなく、何事にも自信が無ければ、助けられ上手になればいいんです。

「あなたの手助けをしたくなる」と人に言わせることのできる自分を作ればいいん

です。

どうすればいいか。



私は助かりたい。だから助かり方、自分の助け方を教えてください」と言え

ばいいんです。



私は学生のころ、「私は学生ですからお金は払えません。でもそのことを勉強

したくて、先生から教わりたいんです。お願いします。」と頭を下げ、けっこう

タダで、色んな専門的なことを習った経験があります(笑)。

ノンアポで本の著者にいきなり会いに行って、「先生の本は、すばらしいので

会いに来ました」なんて言って、著者と食事をしながら著作の裏話を聞いたり

したこともありました。



どれだけ、相手から吸収したいか、学びたいか、誠意、熱意を示せば相手は、

きちんと答えてくれます。教えたくなるもんです。



大事なことは、こちら側の主体性です。

本気で助かりたい。身につけたい。そのためには、何でもやるぞという姿勢です。



最初から相手に依存し、自分でやるべきこともやらず「助けてください」では、

「仏の顔も三度まで」にもならず、親切な方かお世話焼きの方がせいぜい一度

手を貸してくれるぐらいで、慈悲深い方でも三度目には、困り顔になってきます。



それから、心を空(虚)にする。つまり、謙虚になるということです。

「手立てを教えてほしい」といっときながら、それを提示したら「それはできない」

「そんなの無理だ」と必ず返ってくる人がいます。

これでは手助けするのもいやになります。



正直、素直は、いずれも「まっ直ぐ」が入っていますね。

へそ曲がりは、考え、態度が歪んでいますから、みすみす人を遠ざけます。

曲者(くせもの)と言うでしょう。

曲者として捕らえられたら、やり直し(謙虚に反省)が必要なのです(笑)。



それから、周囲からの支援の受取り上手になるためには、してもらったことに対し

て、めいっぱいの喜び、感謝を伝えることです。



感謝はもとよりですが、喜びを体全体で伝えることは意外に忘れられがちです。

感謝や喜びの表現は、かねてからの心がけが必要です。

その時だけ、表現しようとしてもしきれるものではありません。

かねての生活の中で、人からしてもらったことに対しては、最大限の感謝と喜び

を表すことを心がけてください

形だけではなく、本当にそう感じられる自分であることが大切です。



私自身、とりたてて才能もなく、弱い人間だからこそ、助けられ上手になることを

心がけました。

そのお蔭で、これまで沢山の人たちに助けられて、ここまで来ることができました。

本当にありがとうございました。




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自分が自分の創造主

自分を考える」の記事に投稿してくださった“いちゃもん”さんの言葉に

自分も自分の創造主」とありました。

まさにその通りだと思います。



私の好きな釈尊の言葉に下記のようなものがあります。

おのれこそ おのれのよるべ おのれを措きて 誰によるべぞ

よくととのえし おのれにこそ まことえがたき よるべをぞ獲ん

(友松圓諦訳)



自分を措いて誰が自分の救い手となることができるか。自分こそ自分の救い手

である。といった意味です。

釈尊は、死にゆく間際、嘆き悲しみ慟哭する弟子に、「自分自身に燈火を抱いて

自分の足元を、自分のゆく手を照らし、輝かせなさい」という意味でこのメッセー

ジを残されたそうです。



よく整えられた自己こそが、自分のよるべ(救い手)となるのですから、自分を

見失わないことが大切です。



よく青年たちから「人からどう思われているか、いやがられていないか心配です」

と聞かされます。

その時私が彼らに尋ねることは、「どう思われたいの?」です。

その問いかけにほとんど具体的なことは返ってきません。

せいぜい「普通に思われたい」です。



どういう人だと思われたいのかが、自分の中でまとめられていないのです。

これが自分を見失っている状態です。



自分が誕生した家、家族、両親を自分という生命を活かすための必要条件

考えてみましょう。



自分の健全な成長をにとって障害となる環境であっても、そこでの痛みを知る、

体験することが、自分の存在価値を高める。自身の役割を活かすために必要な

ことなんだと。



失うものがあってこそ、得られるものがあります。

得られないものがあってこそ、その価値に気づくことができます。



人格形成はすべて親によってなされるものではありません。

環境や体験、親以外の他者との関わりなどによっても、大きな影響を受けます。

両親との間で満たされなかったものがあればこそ、外の世界にあるものに気づけ

ます。



親の世界観やわが家の常識は、とても狭いものです。

私たちは、どこかで親の言い分をそのまま信じてしまっているところがあります

何の疑いも挟まず、自分への否定観までをも信じてしまっていませんか?



よるべとできる自分を作るためには、自身の心に刻まれているものを観察する

自己の眼で、整理整頓する必要があります。

誤った自己像は葬り去り、本来の燈明をともしてください。





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トラウマのせいか、運命のせいか?

元型的心理学の創始者ジェイムズ・ヒルマンは、トラウマ理論を批判し、「私たちの

人生を支配しているのは、子ども時代に何があったかではなく、痛ましい体験に

より傷つけられた心によるものという観点から理解するようにしむけているトラウマ

理論それ自体である」と述べています(『生きがい発見の心理学』諸富祥彦著)。



ヒルマンは、代わりに、私たちを超えた「何か」が向こうからやってきて、私たちの

魂を掴み、そして否応なくある「道」へと誘っていく。というとらえ方を提示している

のですが、これは、運命論になってしまっています。



つまり、すでに「運命」というものが定められていて、個々の人生は、決められた

シナリオに基づいているものだから、トラウマによるものではなく、用意されてい

たことといったとらえ方です。



また、論理療法のアルバート・エリスは、幼児期体験や過去の条件づけは、自分

の心理的な混乱の根本的な原因ではない。非論理的な考えを自分が未だに信じ

ているから。と述べ、過去の経験によって、人格が変革できないくらい固定される

ことはない。としています。

あくまでも、現在の自分自身の人生観が、自分を混乱させているというのです。



いずれも、過去の今に与える影響をあまりにも軽んじているとしか言えません。



人生のとらえ方として、ヒルマンのように「運命」といったものがあると仮定する

ことは、偶然で起こることではないのだから、そこからそのことがもつ意味をくみ

取ろうとはします。

そのことで、過去に絶望することなく、未来を作っていける姿勢ができます。



また、エリスのように過去の経験がどうあれ、今の自分の意味づけによって、不安

を軽減していくことも確かにできます。



しかし、現在の認知の歪み誤った信念は、トラウマの結果であることは明白で

あり、それが行為の偏りを生み、偏りの固定化、持続化が自我の変容生き方

のゆがみを招いているのは事実のことです。

非論理的な考えを未だに信じていること自体が、まさにトラウマの影響なのです



現状の生き辛さがトラウマではなく、運命であるならば、その解消のためには、

運命の転換をはからなければならないし、過去のことを過去のものとして切り離

せるためには、強靭な意志力が必要とされます。



過去の痛みが現在の自分に与えている影響によって、翻弄されているアダルト・

チルドレンにそれを求められるのでしょうか?



現状の生き辛さを誘引したトラウマを知ることは、歪められた自己の根拠を知る

ことであり、誤った信念の修正を可能にすることなのです。




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