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アダルトチルドレンからの回復
~私は私でありたい : 旧ブログ
ひきこもり: 2011年9月

アダルトチルドレンへの処方箋~体験価値

実存分析の「三つの価値の領域」の二つ目「体験価値」について今回は、お話し

しましょう。

 

 

これは、さまざまなことを体験することによって実現される価値です。

「体験」は、まさに自分自身がその時、そこで体感していることです。

機会を得られたことです。

 

 

何事も機会は、望んですぐに得られるものではありません。

時と場がそろわなければ実現しません。

得られた機会は、自分ならではのものです

 

 

創造価値」でも述べたように、これまで自分がどういう機会に遭遇することが

あったかを振り返ってみてください。

その機会、体験にこそ、自身の存在価値、存在理由を自覚できるヒントが隠されて

います

 

 

引き寄せの法則」というものもありますが、「内に因あれば、外にそれを助ける縁

生ず」で、あたかも自分が磁石となって、自分の存在意義を高めるために必要な

ものを引き寄せてしまいます。

自分の成長にとって、最も相応しい、最適な環境が用意されると思ってください。

もちろん、最適だからといって、快適とは限りません。

むしろ、困難な事態の中にこそ、ステップアップ、つまり価値向上のチャンスが

秘められています。

玉磨かざれば、光なし」です。

 

 

私たちは、大自然の中に身を置いた時などに、その美しさに感動したりします。

秋も深まれば紅葉のすばらしさに感動したり、春の桜にうっとりしたり、また、芸術

的なもので、すばらしい演奏や歌声、みごとな絵画を鑑賞したりした時も心が震え

ます。

こういった体験をした際、「これを味わうためだけでも、ここへ来た価値がある」と

私たちは思うものです。

 

 

人との出会いは、とりわけ感動的です。

誰とも“初恋”の経験があると思いますが、出会った瞬間、心ときめく感覚が、身を

焦がすほどの熱愛に発展することだってあります。

恋愛関係だけではなく、友情関係でも生涯に渡る親交をもつ出会いもあります。

また貴人という言葉がありますが、自分にとって後の人生を大きく変えるきっかけ

になる人物のことです。

もちろん、人生を開いていくきっかけです。

私もこれまで数名の貴人との出会いがあり、そのことが自己認識を高める根拠

ともなり得ました。

 

 

こういった人との出会いの体験は、何ものにも代えがたい価値があります。

しかし、先にも述べたように、願って叶うものでもありません。

ですが、柳生家の家訓にあるような心がけがあれば、必ず出会うことが出来ると

思います。

ご紹介しましょう。

 

小才は、縁に出会って縁に気づかず。

中才は、縁に気づいて縁を活かさず。

大才は、袖すりあう縁をも活かす。

 

是非、機会との縁、体験を活かす生き方を実践してみてください。

 

 

 

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アダルトチルドレンへの処方箋~親への復讐?

アダルトチルドレンにとって、親にどう向き合うかは大きな課題です。

経済的にも自立していて、生活圏を別にしていれば、まだ問題は少ないでしょうが、

未だ親の経済力に依存している場合、親抜きでは生活が成り立たない分、多くの

葛藤があると思います。

 

 

ある30代の青年は、親からの相続財産を親が生きている今の内に譲り渡して

ほしいと、生前贈与の手続きを親にさせました。

先祖から受け継いできた不動産を現金化して一千万円以上のお金を要求したの

です。

「法定相続分の当然の権利がある」といった主張です。

その代わり、その後の請求は一切しないと、裁判所に相続放棄の手続きは取ら

されました。

「一日も早くこんな家出て行きたい」が理由です。

この青年の現状は、バイトも継続してやれない状態です。

もちろん、正規で雇用された経験は、全くありません。

 

 

さて、「親からされたことで、自分はこうなった」ということで、親が償うべきだと、

物を購入させたり、生活するだけの環境を保障させたりするケースが多くあります

が、これでは目的をはき違えています。

親への報復、懲らしめのつもりでしょうが、自身の人生も持ち崩してしまっている

ことに気がついてほしいものです。

 

 

親に対しては、どういう思いで我慢を強いられ、耐え忍んできたのか。

そのことによって、何を奪われ、失い、何を諦めなければならなかったのかを分か

らせたいのが、目的なのではないですか?

であれば、ただ痛い目にあわせるだけでは、何も伝わらないでしょう。

それどころか、何も伝わらない分、かえって常識を欠いた出来損ないと捉えられて

しまいます。

 

 

どうせ復讐したいのなら、人生を立て直すに必要なことを用意させるべきです。

例えば、この青年は長年のひきこもり生活(外出はできる)で、働けない状態です。

家を出たからといって、自活は極めて困難です。

出費だけでは、早晩資金が底をつきます。

適切な訓練を受けなければ、社会参加は困難でしょう。

実際には、この青年の両親は、すぐに本人が働くことを希望しておらず、自分たち

の不適切な関わりによって与えた苦悩を青年に詫び、適切な訓練を受けることを

促していました。

もちろん、その間も生活に必要なものは援助していました。

 

 

両親の不適切な養育が、人格形成において与える影響は、もちろん甚大であるこ

とは間違いありませんが、親の養育態度がすべてではありません。

また、受けた影響の修復も不可能というわけではありません。

受けた影響を詳らかにすることなく、不安や恐れの感覚だけに溺れていては、

自分の人生を取り戻すことはできません

 

 

親への賢明な復讐は、親の何倍も幸福になることです。

親がうらやみ、悔しがるほどに幸福になればいいんです。

そうすれば、そんな自分をこの世に在らしめたという唯一の功労で、親を肯定する

こともできるのですから。

 

 

 

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