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アダルトチルドレンからの回復
~私は私でありたい
人生 6ページ目

アダルトチルドレン~12ステップ【生き方の点検】


第5ステップとして、

「ありのままの自分を発見するために今までの生き方を点検し、両親との関係から

始まる人間関係についての点検表を作った」を挙げています。

これはAAの第4ステップの自分自身の棚卸に該当します。
 



自立していくための第一歩は、両親からどう育てられてきたかを知ることです。

両親との関わりを通して自分が何者であるかを認識し、それに相応しい生き方を

無意識に選択して生きてきています。

はたして本当に自分らしい生き方だったのか、疑いの目をもって見直してみましょう。




周囲とどのような人間関係を結んできたのか。

そこに生き辛さを感じていたとするならば、それがどこからきていたのかをひとつひとつ

点検していきます。




親からの承認や賛同を必要としなくなってこそ、自立です。

親からの呪縛から自分を解放し、自分が自分の親となって育て直しをしていきましょう。

これからの「育自」のための準備のステップです。





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アダルトチルドレン~12ステップ【生き方の軌道修正】


【自分なりに理解した神】①でAAの第3ステップをあげましたが、ひきこもり用の

第4ステップとしてこうアレンジしています。
 
「今までの生き方を支えてきた誤った信念への信仰をやめ、必要だからこそこの身に

予定通り起こっていることだと、あるがままに現状を受け入れようと決心した」
 



「自分は信仰なんかもっていない」と言っても、誰しもが無意識に信仰しているものがあります。

なんだと思いますか?
 
どこの家にも「家族神話」というものがあります。

家族の中で信じられ支持されている家族の精神的機制です。

家族特有のいわば「わが家の常識、社会の非常識」といったものです。

この神話への信仰です。

これがまた根強くて、根深い。
 
先ず、この信仰から見直す必要があります。

今まで疑うこともなく、親から言われたままを真っ正直に信じ込んでいませんでしたか?

親から信じ込まされていた価値観や信条を批判的に見直してみてください。
 
わざわざ生き辛さを招いているような信念をそのままかかえておく必要はありません。
 



自身の身に起こることは、予定通りに起こっていることです。

なぜなら、それが起こるような、そうなるような原因を自身がこれまでに知らず知らず

作っているからです。

原因のない結果はありません。

いわば種をまいているのです。

自分がそれに気づいていないからと、不満をもらしていても仕方ありません。

あるがままに現状を受け入れ、自分がまいた種は自分で責任もって刈り取っていくしかありません。

【できないことを認める】①で述べた「天は事実をもって示す」です。
 



今現在の自身の在りようは、必ず何かの準備になっていて、未来に何かを用意してしまいます。

だから常に「今」に集中して、創りあげたい未来のための原因づくり(種まき)をすることが大切なのです。
 





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アダルトチルドレン~12ステップ【理解のステップ】


第一ステップの「見解から離れられない」理由の説明として、ひとつステップを加えています。
 
「見解への拘りは、変化を拒むところからはじまり、自分の判断力を信じ過ぎていた

ことで迷いを深めたことを理解した」
 



変化するということは、未知な領域でもあるわけです。
 
つまり、どうなるか分からない。事態がより悪く変わるかも知れない。
 
そう考えると、不安なので現状に留まることを選択する。
 
これまで、見てきた風景のまま、手慣れたことだけ、体験したことだけ、今認識できる範囲だけ

に限定し留まるのです。
 



これまでの自分の判断の結果を冷静に振り返ることもなく、たとえ望まぬ結果でしかなかった

判断でさえ、その誤りに気づかず自身の判断力を信じ過ぎていたことが、自分をさらに混迷に

向かわせたのです。
 
まさに「井の中の蛙大海を知らず」です。







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アダルトチルドレン~12ステップ【すべてはギフト】


第二ステップは、【自分を超えた大きな力】①②で述べましたが、私はこれを
 
「生かされていることへの感謝、すべてが与えられたギフト(恵み)と感謝できる心が、
 
私たちを健康な心に戻してくれると信じるようになった」としています。
 



第一ステップと合わせ、とにかく慢心を抑え謙虚になることです。
 
謙虚になれば、自らを振り返り反省しますし、与えられていることに気づき感謝もできます。
 
反省し、感謝できれば、必ず新たな行動を起こし、それが自己成長へつながります。
 



健康な心とは、フロイトの言うところの「人を愛することと、働くこと」です。
 
「はたらく」というのは、傍(周囲)を楽にする。つまり役立つということです。

他者の役に立ててこそ一人前です。

人を信頼し愛することができれば、その人のために、何かしてあげたい(役立ちたい)と

思いますし、喜ぶものを買ってあげたいと思えば、自然働きます。
 



すべてを味わい喜べる心を養い育てていくことで、見に起こることすべてを受け入れられる

ようになるのです。
 
 
 
 


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アダルトチルドレン~12ステップ【できないことを認める】②


自己の見解に囚われてしまっていることが、あたかもハムスターが回し車でその場を

走り続けるように、堂々巡りとなって、自分の手に負えない状態にしてしまっています。
 



「囚われ」という字がよく表していますが、かこい(口)の中に人と書きますね。

部屋の中にいる人で、まさに「ひきこもり」です。

快適な部屋、環境ならまだ良いのですが、そこは自由の効かない牢獄みたいなものです。

自らの見解によって縛られてしまった自己牢獄の囚人です。
 
自身に起こることは、結局は自分が原因を作ってしまっていることです。
 



これらのことを謙虚に認めることができれば、自らがまたそこから解放させることも

できることに気づけるでしょう。
 
被害者意識から、責任転嫁自己正当化をし続けていれば、牢獄の番人から鍵を

受け取ることはできないのです。






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アダルトチルドレン~12ステップ【できないことを認める】①


ひきこもり用にアレンジした12ステップのそれぞれを説明してみましょう。

嗜癖問題の第一人者である家族機能研究所の斎藤学先生の10ステップを

参考にさせて頂きました(『「自分のために生きていける」ということ』大和書房)。
 



AAの12ステップでは、第一ステップで、

「私たちはアルコールに対して無力であり、思い通りに生きていけなくなっていたことを

認めた」とあります。
 
これは事実を前にして、そのことへの無力さ謙虚に認めるということです。




新たな状況を展開していく際に必要なことのひとつは、潔さです。

頑なにこれまでの自分の考えだけに固執していれば、人の話(助言)も聞かなくなります。

独りよがり思いあがり、うぬぼれ「慢心」です。

「慢心」は、油断を招き、必ずミスや事故を生じます。

謙虚さに対しては、第6、7ステップの解説【他力としての神】②でも述べました。




それだけ自分の考えに自信があるのなら、なぜ現状の苦悩を招いたのでしょうか?

「天は事実をもって示す」

事実に対して謙虚になる姿勢が大切です。
 
 
 
 
そこで、

「私たちは自分自身の見解から離れられず、この囚われのために日々の生活がままならなく

なっていることを認めた」
 
これを第一ステップとしてあげました。






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アダルトチルドレン~12ステップ【固定観念を捨てて】


さて、12ステップ【自分を超えた大きな力】①から、12ステップが非常に有効なプログラム

であるにも関わらず「神」「霊的」といったワードに過敏に反応し、せっかくの回復の手立て

を逃してしまうことを伝えてきました。



 
ビッグブックにもこうあります。
 
「あなたはまず、霊的という言葉について前から持っている考えを捨てて欲しい。
それは霊的という
ことが自分にとってどんな意味を持っているかを正直に自分に
問いかける邪魔になるからだ。
霊的に成長し、自分なりに理解できる神と意識的にかかわるための出発に必要なのは
それだけだった」




これは非常に重要なことです。

固定観念先入観といったものは、客観性を失い認知を歪めます。
 
「霊性」「霊的」といった概念は、心身医療パリアティブ・ケア(緩和的医療)

アディクション(嗜癖)の領域ではあたりまえの概念であり、WHO(世界保健機関)でも

「パリアティブ・ケアは、すべての人間の全体的な権利にかかわるためパリアティブ・ケア

の実施にあたっては人間として生きることが持つ
霊的(Spiritual)側面を認識し、

重視すべきである」
と述べています。
 



20年ほど前、あるひきこもり家族会の代表の方(母親)が相談にみえられた時、私が

「ひきこもりは、霊性にかかわる問題です」とお話しした途端、そそくさと帰って

いかれたことがありました。
 
後に耳に入ったのは、この方は霊性という言葉から宗教と勘違いをしておられたようです。

この方は今もなおその家族会に通っておられます。
 
 
 
ビッグブックにはまた

「あらゆる情報をはばむ障壁であり、あらゆる論争の反証となり、そして人間を永遠に無知
とどめておく力をもった原理がある。それは、調べもしないで頭から軽蔑することである」

とあります。
 



現代はインターネットといった便利な情報ツールがありますので、調べることは簡単にできます。
 
昔のように海を渡って命がけで調べに行かなくとも知ることができるようになってきています。
 
なのにそういった手間も惜しみ、独りよがりの思い込みだけで切り捨ててしまうことは大きな

損失を被ります。
 
この12ステップの「神」という概念に対しての態度もそうです。
 
先ずは、素直にひとつひとつのステップを体感してみてはいかがでしょうか。







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アダルトチルドレン~12ステップ【祈りの実践】②


自己への執着我から離れるメンタリティの訓練としての祈りを説明してみましょう。




我(エゴ)から離れるためには「わがものに(は)非ず」という自覚が最も大切です。

そのためにも、自己を超えた存在への畏敬の念が必要です。

つまりは、すべては与えられた恵みであるという自覚です。

「自分の体はどうしようが勝手」

「自分の力で生きている」

「好きなように生きて何が悪い」

と、自分のこと(もの)だから自由にしていいだろうと思っていませんか?




(たましひ=)は「賜りし霊(ひ)」という意味ですが、命も賜った(与えられた)ものです。

我欲から離れるために昔から勧められていることが「施」です。惜しむ心を放す

「施」は、思いやりがなければできません。

私心なき思いやりの最も洗練されたものが「祈り」です。

誰かのために祈る行為は、見返りを期待しない純粋な無償の愛の実践です。




「祈り」は、畏れ敬い感謝が土台にあります。

つまり祈る対象があるのです。

その対象を日本人は「お天道さま」「お陰さま」と表現していました。

【神との正対】③でも説明しました。

お陰さまの恵みに感謝し、私心を捨て、自分を尽くす(主体性の発揮)。それが「施」です。




【自分なりに理解した神】①【自分なりに理解した神】③で述べましたが、鎌倉時代の歌人

西行法師が「何事のおわしますをば知らねども、かたじけなさに涙こぼるる」という有名な歌を

詠んでいます。

思いどおりにならない苦悩を通して自身の無力さを覚り、慢心を戒めるために、命を生かして

くださっている存在に、感謝の心を捧げ、ぬかづき、ゆだねる(信じ任せきる)。

めぐりあわせ(縁)など自力の及ばぬことを信じ任せきれることでこそ、私心を捨て(捨心)、

自分に出来ることに専念できてくるのです。




これからは、ただ自分の望みを“願う”のではなく、祈っていきましょう。

願いは往々にして我欲から出ているものです。

対象がない分、どこまでも自分から離れません。

対象を意識しひたすら(ひたむきに)祈り、自分を尽くし改善行動に努めていくのです。




とは、自分自身あるいは他者の精神的成長を培うために、自己を広げようとする意志

と言われます。

意志とは、行為に移されるだけの強さをもった欲求です。

ですから、愛は意志の行為です。

第3ステップの「神の配慮」もまたその愛でしょう。




「陰徳積んで陽報あり」という言葉もあります。

相手のうかがい知れないところで、陰ながら支えることでこそ、表の努力とあいまって

陽かな結果が顕れてくるのです。

「祈り」は前回述べたように、祈られる本人が認識していなくてもしっかり届くのです

から、愛をもって祈りましょう。






 

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アダルトチルドレン~12ステップ【他力としての神】②


「神に取り除いてもらう準備」とは具体的にはどういうことでしょうか。
 
取り除いてもらうのは、不安恐怖を招いてしまっている自身の物事の受け止め方

解釈の仕方です。
 



不安、恐怖は、煩悩を強化するものです。
 
例えば、無いことの不安や不満が強ければ、それを手にしたいという欲求が強くなります。
 
手に入れると、今度はそれを失う不安が出てきて、それに強く執着します。

そして、自ら苦悩を抱えてしまうのです。
 
煩悩(執着)は自身が強く握り込みしがみついていることを覚り、それを自ら手放すことが

求められるのです。
 



このステップでは、謙虚になり、苦悩を招く自身の性格の欠点を神に取り除いてもらう

ということでしょう。
 
謙虚に」とは、慢心を出さないということです。
 
「満は損を招き、謙は益を受く、これ乃ち天の道なり」(書経)という言葉もあります。
 
「神に取り除いてもらう準備」は、我を慎み、傲慢不遜な心を手放していくことです。
 
指をくわえて神(か何かに)に取り除いてもらうのを受動的に待つことではもちろんありません。
 
現状の自身の課題に取り組める勇気を得るために、不安や恐怖を招く性格上の欠点を

改善する方法を、我を出さず謙虚に、ひたすら、ひたむきに実践することです。

(続く)




 

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アダルトチルドレン~12ステップ【他力としての神】①


第6と7は、一緒に考えてみましょう。
 
「こうした性格上の欠点全部を、神に取り除いてもらう準備がすべて整った」
 
「私たちの短所を取り除いて下さいと、謙虚に神に求めた」
 



これはもちろん、言葉そのままには受け止めないほうがいいでしょう。
 
つまり、「取り除いてもらう」そうはなかなかいかないですね。
 
まあ、「無力を覚れ」から始まる12ステップですから、「自力は諦めよ」ということ

でしょうが、自力他力バランス調和だと思います。



 
これを見た時にすぐに頭に浮かんだのが、鎌倉仏教の浄土教です。
 
末法の世の乱れに救済の道を説いた「弥陀の本願にすがれ」です。
 
阿弥陀仏を信じた時点で救われるというものですね。
 
わが家の宗旨も浄土真宗ですから、浄土系の仏閣に参拝した際に、ご住職から、

「願い事はしないように」と言われたことがありました。
 
これは恐らく、「阿弥陀さまをひたすら信じれば本願で救われるから、自分の欲を

出さず、感謝してただ信じなさい」ということだったのだと思います。
 
しかし、煩悩まみれの私としましては、そうはいきません(笑)。

あれもこれもと・・・




この第6、7ステップは、依存を招いている人格の欠点を素直に認め、改めたいと願えば、

それができる神の力で叶えられる。それをひたすら信じなさいということでしょう。

より重要なことは、自力と他力のバランス、調和です。

信じると共に、自身がその力を受けるに相応しい「受け皿」となる。

そのためには、謙虚に自身をさらけ出し、人格を磨き上げるということです。

どう磨き上げるか。
 



こういう歌があります。
 
「心だに 誠の道に叶いなば 祈らずとても 神は守らん」

つまり、誠実な人格が大切ということですね。

信じることはもとよりですが、それ以上に大切なことは、道理に違わぬ状態にあれば、

自然、災いがよけて通り、幸いに近づくということです。

(続く)




 
 

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